Océ VarioPrint 6000 Ultraシリーズ 導入事例株式会社ケイスイ

株式会社ケイスイ(東京都)

1パスで両面同時印刷する発想とそれを実現する機械。その構造に一瞬で惚れ込んでしまいました。

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論文集や学会の会報誌などを手がけている印刷会社

株式会社ケイスイは、論文集や学会の会報誌などの印刷を手がけている東京・新宿区の印刷会社。同社は1,000ページ以上の論文集を扱い、多品種・小部数の案件を受注する中で、学会が集中する繁忙期にはオフセット印刷における刷版や丁合の作業が急増し、受注した案件を外注せざるを得ないという課題を抱えていた。

その状況を打開するため、2012年7月に、Océ VarioPrint 6160 Ultraを導入。業務に合わせた印刷機のデジタル化に取り組み、印刷業界で国内初の同機導入に至った背景と経緯、その効果などについて、代表取締役 小林佳之氏にお話を伺った。

キーパーソン

代表取締役 小林 佳之 氏

導入した背景と経緯、その効果など

御社の事業内容についてお聞かせください。

弊社では、論文集や学会の会報誌などの印刷を多く手がけています。医学系や建築系、電気系など、学会を取り仕切る企画運営会社から仕事を受けていて、本文はモノクロ、表紙だけがカラーのものがほとんどです。

たとえばある学会などは3,000ページ以上の厚いものを7冊に分けて、1年に春と秋の2回受注しています。昔は1,000部~3,000部だったのが、いまはCDやDVDに置き換わってきているので、100部前後の仕事が多いですね。多品種・小部数の典型的な案件です。

印刷工程としては、まず全国の学生や会員が1人1ページもしくは2ページずつPDFで作成したページを、すべてエラーがないかチェックします。プリントアウトして図や表の抜けがないか、文字化けがないかを確認して直せるものは直してからヘッダーやフッターを入れ、印刷に回しています。

導入前に、事業の課題となっていた点をお教えいただけますか?

自社にある丁合機では120ページまで丁合することができるのですが、弊社が扱っている印刷物はページ数が多いため、120ページを超えると手作業が発生していました。人の手が加わることで、人為的ミスが発生し、コストや労働力がかさんでいたので、なんとかそれを打開したいと考えていました。

打開の糸口となるOcé VarioPrint 6160 Ultraと出会ったのはいつ頃でしたか?

印刷工程、特に乾燥工程を短縮させるために、「A3ノビの印刷機で両面UV印刷できる機械があればいいのに……」という思いが募っていた頃、一昨年の8月くらいに、キヤノンS&SさんからVarioPrint 6160 Ultraのお披露目会に招待していただきました。

すると、ずっと探し求めたいた両面UV印刷機に代わるような機械がそこにあるわけです。中を見せて欲しいとお願いをして、イベントが終わった後にエンジン部分を見せてもらったところ、2基の転写・定着ベルトが左右対称になっているのが、格好良いなと。1パスで両面同時印刷する発想とそれを実現する機械。その構造に一瞬で惚れ込んでしまいました。

実機を見て、本格的な導入の検討が始まったわけですね。

はい。弊社はすでに軽オフセット印刷で両面機2台と片面機1台を持っていましたが、先の理由で、繁忙期には刷版や丁合作業が追いつかず、案件の2~3割は外注に出してしまっていました。VarioPrint 6160 Ultraを導入すれば、弊社では1日で約7万枚を丁合まで済ませて通すことが可能になり、いままで外注に出していた分を内製することが可能になります。

ただ、さすがに発注までは慎重に考えました。導入コストはもちろんですが、学会論文集はページ数が膨大なので、用紙検証も含めて、導入前のテストを入念に行う必要がありました。キヤノンさんには、VarioPrint 6160 Ultraで弊社の印刷物を想定したテストを行っていただき、導入前に実際の印刷を体感することができました。

印刷業界で国内初の導入ということですが、実際の導入の際はいかがでしたか?

導入時もいろいろとドラマがありました。印刷業界には関連団体がいくつかあり、青年部が集まって活動している印刷産業青年連絡協議会という団体があります。その団体で毎年、仲間内の工場を巡る視察があり、今年は弊社も含まれる東京・新宿エリアの何社かを回ろうという話でした。

そこで、その視察にぜひ間に合わせて欲しいとキヤノンさんにお願いをして、なんとか間に合わせてもらいました。視察当日は機械の説明までしていただいて、来社された方々にもご好評をいただきました。

また設置スペースの確認のためにも、キヤノンさんには何回も足を運んでいただいて、ミリ単位で計測をしたりしました。柔軟に対応していただき、一緒に取り組んで共に成長してきていると感じています。

2012年の7月に導入し、その夏の稼働では、15,000~16,000ページを9種類に分けて30部印刷する大型の案件も、作業としては大変でしたが無事やり遂げています。

Océ VarioPrint 6160 Ultraを導入して作業効率はどのように変わりましたか?

オフセット印刷とデジタル印刷をうまく使い分けて併用することで、上々の効果が得られています。

まず、VarioPrint 6160 Ultraは1台で両面印刷して丁合まで済ませてくれるので、刷版や丁合で要していた時間や人手が大幅に削減されています。もちろん手作業で行っていた丁合の中には、ページの合間に折り込みを入れる特殊な仕事もあるため、多機能なデジタル機といえどもその作業のすべてを任せられない部分もあります。

しかし、VarioPrint 6160 Ultraが大量の丁合をこなしてくれている間に、これまで人手が足らなかった特殊な丁合作業にオペレーターを専念させることができ、また、その作業に必要な印刷分を既存のオフセット印刷機でまかなう余裕ができたため、全体的な作業の効率アップを図ることができました。

印刷オペレーターの方が操作することもあるのですか?

もちろんです。制作側で面付けしたPDFを、ドライバーの設定を操作して出力するだけなので難しくはありません。導入初期の頃は私が印刷の指示を出して、操作してから社員にバトンタッチしていましたが、いつの間にか、これまで刷版をしていた印刷オペレーターが操作を覚えて、何でもこなしてくれるようになっていました。

印刷オペレーターの手が空いたときには、紙のセットにも回ってもらっていますが、セットする前に紙にちょっと空気を馴染ませるだけで紙通りの具合が変わってくるので、その辺のノウハウなども少しずつ蓄積しています。

印刷関連業界で、Océ VarioPrint 6000 Ultraシリーズは今後活躍すると思いますか?

VarioPrint 6000 Ultraシリーズの最上位モデルの印刷速度は両面314ページ/分です。その圧倒的な速さを活かしていかに短納期のビジネスを拾っていけるか、そこを突き詰めていけば、ビジネスが広がっていく可能性があるのではないでしょうか。

また、印刷会社としては、やってほしくないのですが、印刷会社だけでなく製本機などの後工程をもっている製本会社が導入するとよいのでは?と思うこともあります。近年の印刷市場の縮小で、製本会社もかなり厳しい状況だと思いますが、印刷機を入れる検討をしているのであれば、新たに印刷のオペレーターを入れるよりも導入しやすいのではないかと思います。

御社における、Océ VarioPrint 6160 Ultraを活かした今後の展開をお聞かせください。

タブレット端末や電子書籍の登場もあって、情報を紙に載せる時代は収束に向かっているのが現状でしょう。VarioPrint 6160 Ultraの特長を活かす、次の一手も考えていきたいと思っています。表裏見当精度が素晴らしいことを何かに利用できれば面白いかもしれないですね。たとえば紙を透かしてみて何かできるとか……。

いずれにせよ、現状の業務を効率良くこなしていくことで、また別の一手を講じる時間が生まれるのではないかと期待しています。

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