Océ VarioPrint 6000 Ultraシリーズ 導入事例惠友印刷株式会社

惠友印刷株式会社(東京都)

「必ず売れる数だけ作りたかった」というニーズには応えることができました。
細かい出版需要に迅速に対応できるのはOcé VarioPrint 6160 Ultraシリーズの強みです。

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出版印刷を主体に幅広い領域で事業を展開

惠友印刷株式会社は1995年に東京・飯田橋に創業した印刷会社で、ページ物を中心とする出版印刷を主体に、現在では商業印刷、コンテンツの企画制作など、幅広い領域で事業を展開している。独自の生産管理システムのWeb化や四六全判ダイレクト印刷技術の開発など、これまで他社との差別化を図ってオリジナリティのある技術開発を行ってきた同社が、2012年8月にOcéのモノクロ超高速プロダクションプリンターOcé VarioPrint 6160 Ultraを2台導入した。

その導入に至った背景と目的、効果について、同社専務取締役 板橋工場長 大島勝範氏と常務取締役 社長室長 萬上孝平氏のお二人にお話を伺った。

キーパーソン

導入した背景と経緯、その効果など

御社の事業内容についてお聞かせください。

萬上氏
出版印刷が創業事業で、多くのお客さまが学習参考書など学術関係です。
法学書や自然科学書、楽譜出版、医学関係、そのほか時代小説などが柱となっています。近年注力しているのが多色刷りカラーで、ターゲットは出版印刷の表紙や帯などはもちろん、商業印刷物のカタログやちらし、パンフレット、ポスターなどが対象です。そのほかにコンテンツ制作も強化していて、データ納品の案件やウェブサイト構築、SEO対策なども行っています。
大島氏
お客さまが要望していることは多岐にわたるので、弊社が本来行っていたことだけに限定せず、そこを窓口にするようなカタチでさまざまなことに取り組んでいます。「クライアントが何を望んでいるか」から始めて、要望に対して全力で応えようという姿勢なので、必然的に扱う商品やサービスも広くなってきました。

お客さまは学術関係の出版社が多いということですが、どのくらいの規模でどんな案件や要望が多いですか?

萬上氏
出版社のなかでも、中小企業がメインです。一般的に著名ではなく、名の知られない小さな出版社ですが、そういった会社は山のようにあり、出版したいと思っている案件を大量に抱えています。そして、それらの案件は大量印刷を必要としない、専門的な出版物であることがほとんどです。たとえば、版権の切れたタイトルを「大活字本シリーズ」として出版して、図書館を通じて提供している出版社があります。
大島氏
そういう出版社では、取次を通すと必要以上の部数を作らなくてはいけないことが問題になります。本のタイトルをたくさん出したいのにコストがかさみ、返本のリスクを負いながら自転車操業せざるを得ないのです。その状況を打開するために、弊社では専門筋にだけ買ってもらえれば出版が成り立つように、中小企業向けの部数と流通にフィットした印刷方法を提案しています。
かつての印刷業は装置産業で、機械を持っていれば必ず利益が出ていましたが、そういう時代はもう終わっていて、お客さまのニーズに合わせるカタチにわれわれも変わってきています。

Océ VarioPrint 6160 Ultraの導入でそのニーズには応えられましたか?

萬上氏
導入してわずか4か月弱で、テスト刷りも含めて多くの反響をいただきました。実績を積めていますので、お客さまにも我々の提案が響いているのだと感じています。
お客さまに喜んでいただいた例としては、さきほどご紹介した「大活字本シリーズ」は年2回の発行で650部と400部作っていましたが、今回のデジタルプレスで400部と300部に変更できました。「必ず売れる数だけ作りたかった」というニーズに応えることができました。当然用紙も少なくなりますし、丁合済みで製本も安くできるので、いいことずくめでした。そしてちょうど今日、同シリーズの100部増刷の発注をいただきました。こういう細かい出版需要に迅速に対応できるのはVarioPrint 6160 Ultraの強みです。

御社のデジタル本格導入はOcé VarioPrint 6160 Ultraが一号機ですよね。導入の決め手は何だったのですか?

大島氏
これまでの印刷業界を見てみると、小ロットのカラーオンデマンドがうまくいってない会社がけっこうあります。これは、オフセットの印刷機と同じように、単体で「いくら儲かるのだろう?」と考えているからです。
私たちは、少部数も多部数も窓口を一本化し、カラーもモノクロも引き受けて、納期管理も品質管理もまとめて引き受けるという提案が一番お客さまに響くのではないかと考えました。そうすると、オンデマンドだけでなく、オフセットもついてくるのではないかと。
そのような提案を実現させるためには、初版をオフセットで刷って、増刷分をデジタルでできれば効率がよいのですが、印刷物の差が歴然と出てしまっては問題になります。その点で、VarioPrint 6160 Ultraの仕上がりは、印刷の仕上がりに非常に近く、マットな仕上がりで、パッと見るとオフセットで作ったものと変わらない美しさがあります。かつてPODといわれていた時代のカラーコピーでは表裏の見当が合わないようなこともありましたが、VarioPrint 6160 Ultraでは表裏見当も問題ありません。
萬上氏
弊社は創業が墨刷りから始まっていますから、デジタル印刷に着手するのであれば、今回のVarioPrint 6160 Ultraの選択はベストだったと思います。弊社は過去にOcéの校正機「TCS500」を使っていて、同社の技術力に実績があることもわかっていました。それで導入に至ったという背景もあります。メンテナンスもキヤノンさんに担当していただけるということで、安心感もありました。

オフセットとデジタルの両方を運用する場合、それぞれの単価はどう扱っていますか?

萬上氏
ある出版印刷の少部数案件をデジタルで受注する際には、出版物の部数や定価を参考に料金をお見積もりしました。特定分野を扱う出版社のニーズにマッチした提案をすれば、お互いに納得できる価格で受注できます。
大島氏
デジタル印刷でオフセットと同じ単価で受注したり、何部まではこの価格という制限をつけてしまっては従来の他社の方法と同じです。それよりも、版元にとって納得のいく利益率で、最高の水準かつ最短の納期で「デジタルだから再販するときもこの値段でできますよ」と提示するほうが、お客さまには喜んでいただけるわけです。
VarioPrint 6160 Ultraなどのデジタル印刷の可能性は、オフセットの市場に食い込むのではなくて、オフセットが目もくれなかったところへ展開できる可能性にあると思っています。

Océ VarioPrint 6160 Ultraを導入して、これまでの作業と使い勝手で違った点はありましたか?

大島氏
パソコンでデータを取り込んで確認作業をする、という工程の中身自体は基本的に変わりませんでした。違うのは面付けの仕方と流し込むフォーマットだけだったので、導入もスムーズでした。
萬上氏
オフセット印刷部門は、正確な見当合わせや印刷機の整備、運転ノウハウの継承など、熟練工の育成はそう簡単なことではありません。それに比べれば、デジタル印刷機は機械の中に技術が収まっているわけですから、ある意味スキルレスで扱えます。VarioPrint 6160 Ultraの導入時に派遣で入社したオペレーターが、何のノウハウもないところから覚えてしまうくらい、手軽に扱えています。

今後、御社は印刷業界のデジタル化にどう取り組んでいくのでしょうか?

萬上氏
オフセットは刷版があるので、ページ数が増えれば売上も大きくなります。その反面、本格的にプレートレスの時代になると、プリプレスの利益項目として刷版が挙げられなくなる危険があります。そのときに、会社としてデジタルへの切り替えをカードとして切れないと、間違いなく「後退局面」になるでしょう。ですから、常に投資をして攻めてないといけないと思っています。
また、営業担当者もベテランが多くなってきているので、設備の強化を図って常に積極的な営業活動が行えるように、会社が誘導するようなカタチをとっています。
大島氏
印刷業界の市場が、年間9兆円から6兆円に縮小して、もっと下がると思っていましたが、そうでもありませんでした。内訳を見ると一部の突出した会社は紙ではないものを印刷し、それ以外の会社は紙のまま従来の仕事とは違うエリアを拡げています。これから先は、お客さまが印刷会社に頼もうと思っていなかったところを、こちらからどんどん拾っていくべきなのです。出版社の方たちが何を考えているか、さらには、その先のお客さまが何を望んでいるのか一緒に考える時代が来ているのです。
弊社は、お客さまが何を必要としているかに合わせて機械を替えてきましたし、いつでも替えられます。それが小さい会社のメリットだろうと思います。その中で、デジタル化の先発としては、今回導入したVarioPrint 6160 Ultraが活躍してくれると期待しています。
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