杉浦:予算にもよると思うのですが、すべてグリーンバック撮影の場合にカメラマンに提案できるカメラの候補になるのではないかと思います。あと、監督と恵比寿から代官山を回ってテスト撮影をしたのですが、軽さには驚きました。僕は昔ケニアへ取材に行ったことがあるのですが、その経験からしてこれほどのサイズや軽さがあるならばロードムービーやドキュメンタリーというところでも需要がかなり高いのではないかと思います。撮影時に発生する熱によって落ちる心配もない。ドキュメンタリーのようなその瞬間を落とすわけにはいかない現場にもXF105は向いているんじゃないかと思います。
吉田:ライブ収録で多数の設置カメラとして使う方法が面白そうです。本体が小さいので、設置場所でも優位な場面がありそうです。それによってだいぶ撮れる絵も変わってくるかもしれません。設置場所によっては、HD-SDIからの映像をベースで収録することも考えられます。また、昔、手のひらよりも小さい小型カメラをマイクスタンドにつけて撮影をしたことがありました。これは極端な例ですが、このサイズならば今まで設置できなかったところに付けられるという可能性も感じますね。
中野:同様にライブ感を重視した撮影、例えば手持ち撮影だったり、車の横から出して撮るといった用途が考えられそうです。
清水:僕はあんまりカメラを使う立場の人ではないのですが、いろんなところに持っていって気軽に4:2:2で収録できる。フットワーク+画質という点では、すごくいいカメラだなと感じました。
XF105は業務用カメラながら約1.3kgと軽量で、民生用ビデオカメラのような感覚で操作をすることが可能だ。それでいて、広角端では 30.4mm(35mmフィルム換算値)からの10倍ズームレンズを搭載し、4:2:2での記録やHD-SDIがついていながら低価格でこの仕様を実現している競合製品は存在しない。また、XF105は先に発売された“XF305の廉価版”とも言われているが、XF305よりコンパクトで記録方式も 4:2:2に対応する。むしろコンパクトさを重視するならばXF305以上に際立った存在といっていいほどであろう。