店頭サンプルブック
SPECIAL INTERVIEW竹沢うるま

写真家・竹沢うるまさんのプリント作品をおさめた、
特別サンプルブックを店頭でご覧いただけます。
これまで撮りためた作品からセレクトした「ASIA」編に加え、
新作の「JAPAN」編の2バージョンをご用意。
PRO-G1とPRO-S1の使い分け方や使用してみた印象などを、
実際の作品で比較しながらお話を伺いました。

日本の風景を撮る

「今回、店頭に並ぶ2つのサンプルブックを担当させてもらいました。ひとつは、これまで僕が撮ってきた世界各地の写真。もうひとつは、日本の風景写真。今まで日本の写真ってあまり撮ってこなかったんですが、今年は社会や世界の情勢が変わる中で、僕自身の視点も変わってきて。ああ、日本を撮ってみたいな、と。なので、日本の風景写真は、初めて発表する新作になります。印刷する写真集はCMYKの4色ですが、PRO-G1だと10色で、PRO-S1だと8色で表現できる。その違いは、はっきりありました。写真集とはまた違うプリントの良さが出ています。
とても満足のいくサンプルブックに仕上がりました。正直、ここまでいいプリントができるとは思いませんでした。
もうね、期待以上。いろんな人に見てもらって、いろんなことを感じてもらえたら嬉しいですね。モニターじゃなくて、実際に店頭で見てもらったら違いは一目瞭然だと思います。」

PRO-G1とPRO-S1の使い分け

「日本の風景写真って、非常に繊細なんですよね。季節の移ろいとか、匂いや風というのは海外とは違っていて、とても柔らかで微妙だった。その微妙な部分をどう表現していくかがポイントとなりました。好みもあると思いますが、たとえば風。嵐のような力強さを表現するにはPRO-G1で出力して、そよ風のような繊細さを表現するにはPRO-S1を選択しました。感覚的なところですが、力強さと繊細さというポイントで使い分けています。」

表現したいものは何か

「ふたつの桜の写真があります。どちらも山梨県で撮影しましたが、こちら(写真左)の写真。桜の花びらってすごく繊細で、表現するのが難しい。しかも、朝の光や夕方の光によって全然違ってくるんですね。これは夜明けの強い光が逆光で入ってきているんですが、その強い光を表現したくてPRO-G1でプリントしました。黒がきっちり締まって質感がいいので、その分、光を感じられる仕上がりになりました。もうひとつ(写真右)も山梨県で撮影したもの。この日は曇っていて、光が柔らかでした。この柔らかさを表現するには染料が合うと思ってPRO-S1を選択しました。これは階調も少ないし、桜の花びらの色も繊細なんですが、しっかりと染料の特徴である透明感を引き出してくれました。薄い花びらの透明感がきれいに表現できたと思います。」

  • 【PRO-G1】でプリント
  • 【PRO-S1】でプリント

「あともうひとつ例を出しましょうか。水という被写体においても、表現したいポイントが違ってきます。これ(写真左)は和歌山県の那智勝浦で撮影した滝の写真です。滝自体がご神体となっていて、その力強さを表現したくてPRO-G1でプリントしました。水しぶきを浮かび上がらせたかったんです。PRO-G1は黒の締まりがいいので、ハイライトがより生きましたね。写真の力強さがよく引き出せたと思います。こちら(写真右)は沖縄の西表島に行ったときの写真。このとき、台風が近くて強烈な雨が降っていたんですね。そして、むわっとしたものすごい湿度だった。その湿度感を表現したいと思ったとき、PRO-S1かな、と直感的に。水平線と空と海。それだけの単調な写真だと思うんですけれど、いちばん黒いシャドウ部分からハイライトの部分まで、幅の広い階調がうまく表現されています。同じような被写体でも、PRO-G1とPRO-S1は表現したいポイントにしっかりと応えてくれましたね。」

  • 【PRO-G1】でプリント
  • 【PRO-S1】でプリント

感覚で選ぶ楽しさ

「顔料でいうと上にのっかるイメージなので、よりアピールする感じがありますね。自分の思いを伝えたい、前に出していきたい、という場合には顔料が合っているんじゃないかな。染料は中に染み込むので、撮影のときに感じていた思いを包み込むイメージ。そういう感覚的な部分で選択するのも楽しいと思います。今回、店頭サンプルブックで試させてもらいましたけれど、今後、展示でも作品づくりにおいても、強い味方になってくれると感じています。今まで撮った作品も、いろいろプリントし直してみたい気持ちになりましたね。」