有名なレジャーランドで、ある家族が乗り物の列に並んでいると、子どもが熱中症にかかってしまいました。
2時間以上並んで、あと少しで乗れるというころで泣く泣く列から離脱。社員用の通用口から外に出ることができましたが、案内をしたスタッフはその家族にこう伝えました。「もしお子様の具合が良くなったら、またお越しください。お名前を教えていただければ並ばずにお乗りいただけるようにしておきます」と。来場者に「夢を与え、魔法をかける」という企業の強力なコンセプトが、組織力として社員全体に浸透していることがわかるエピソードです。
経営のトレンド
ビジョナリー経営について学ぶ

社員が理解し、社会に共鳴される。そんな理念をもつ会社が発展を続けています。
世界的に発展を続ける企業、革新的なアイデアを継続的に生み出す企業、社会から絶えず賞賛を受ける企業、どの会社にも明確な経営理念があります。社員はその基本理念を理解そして共鳴し、共通の理念のもとに企業活動を行っています。皆さまの会社を振り返ってみてください。
社員が気に留めないような概念的・精神論的な理念を掲げていませんか?
創業者・継承者だけが共感する独りよがりの理念ではありませんか?
そもそも経営者がその理念に基づいて事業をすすめていますか?
企業の社会的責任(CSR)やコンプライアンス遵守が注視されている現在、企業活動の根源に理念(ビジョン)が必要です。明確な理念を持った企業が成功を続けている、「ビジョナリー経営」の例をご紹介していきます。
理念の明確化が社員一人ひとりのモチベーションアップにつながります。
理念(ビジョン)を社内の隅々にまで浸透させている企業は、その理念を明確にして、部署や個人の役割・目標にまで落とし込んでいます。そうした上で社員に権限を委譲し、現場において自分の判断で何をすべきかを明らかにしています。また、この理念の明確化が社員一人ひとりのモチベーションアップにもつながっています。
成功例1)「強力なコンセプトが全てに勝る」

成功例2)「社員に権限を託すにはしっかりとした指針が必要」

ある大手ホテルグループの全社員は、クレド(企業の信条や行動指針)を携行し、これに基づいた行動をするように定められています。
そして、万が一の際にお客さまのために使う費用として各自に20万円が用意されているというのです。その用途は、たとえば、お客さまがホテルに忘れ物をして、返送では間に合わない場合に社員が新幹線でお届けする。お客さまがホテル内でプロポーズすることを考えていれば、協力のために演出を行う――といったものです。クレドによって共通目的がはっきりしているからこそ、権限が乱用されずに、お客さまに対してベストなものを提供することができる好例ではないでしょうか。
カリスマ性のある経営者のリーダーシップより、理念に基づいた仕組みづくりが求められています。

明確なビジョンを持って成長を続けている企業を見てみると、「経営者が自ら何かを強く推し進めること」よりも、「何かをするための仕組みを経営者が構築すること」が重要だということがわかります。そしてその仕組みの中には、自社の基本理念がしっかりと根付いている必要があります。また、この仕組みの中で経営者自らが模範となる行動をとり、理想の社員を体現しているということも共通のポイントだと言えるでしょう。
言葉のブレイクダウンを行うことで理念の浸透を促すことができます。

企業理念が社内に馴染まない理由の一つに「概念的・抽象的すぎる」という問題があります。自社の企業理念を見直してみてはいかがでしょうか?どんな意味にもとれてしまう言葉が並んではいないでしょうか。
理念は会社の歴史を背景にしているため、簡単に変えるわけにはいきません。しかし、わかりづらい言葉があれば、経営者が分析して時代にあった解釈を加えることで、社員の理解度を高めることができます。そして経営者や社員同士のコミュニケーションによって社内に広めていくことで、組織力や結束力の強化にもつなげることができるのです。
過去の例からも、基本理念を浸透させるには地道な取り組みが必要なことがわかります。まずは社員の日々の行動が、理念に則っているのかどうかを意識させたり、義務づけさせる仕組みをつくっていくことが、理念が息づく経営の第一歩といえるのではないでしょうか。
「ビジョナリー経営」を成功させる3つのポイント
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ポイント 1
世代を超えて共鳴される。お客さまや社会のためにできることを、社内で共有することが大切なんですね。
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ポイント 2
どんな事態がおきてもお客さまに何を提供するべきかがわかっている現場は、モチベーションが高い。
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ポイント 3
理念やビジョンは掲げるだけではなく、実行できるようにわかりやすく伝えることが大事です。
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