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組織活性・人材育成これからの時代を勝ち抜くために必要な強いチームの条件とは

この記事はキヤノンMJグループの社内報で掲載した内容を一部改編して掲載しています。

IT技術の進化やニーズの多様性、そして昨今のコロナ禍などによって加速度的に変化し、ますます予測不可能となる社会を生き抜くには、いかに強いチームをつくりスピーディに対応していくかが鍵となります。
では「強いチーム」とは一体どのようなチームでしょうか?
これまでと具体的に何が変わるのかをまずは見てみましょう。

こんな課題ありませんか?

  • 変化に負けない自律的なチームをつくりたい
  • チームを成長させパフォーマンスを強化したい
  • チームの生産性を高められるマネージャーを育てたい

これまでのチームマネージャーひとりが
リーダーとしてチームをけん引

利益を上げるための活動が比較的安定していた時代のビジネスモデルでは、繰り返し行う業務を効率化していくことで収益を高めることができました。そのため、主に課長などマネジメント職の人がリーダーとしてひとりでチームをけん引し、チームメンバーは決められたことをやり続けるという車輪的な動きをすることが高いパフォーマンスにつながっていました。

これからのチームメンバー全員がリーダーシップを発揮する
「シェアド・リーダーシップ」

スピーディーに変化し複雑化するこれからの時代において、リーダーひとりの視点で課題に対する解決策を見つけることは困難であり、スピード感のなさが致命傷となる場合があります。そのため、チームのメンバーそれぞれが専門性を持ってリーダーシップを発揮する「シェアド・リーダーシップ」が重要となります。マネージャーには、個のパフォーマンスを最大化させる環境づくりの役割が求められています。

スピードと課題解決力がよりシビアに求められるこれからの時代は、強い個が一枚岩となる「シェアド・リーダーシップ」が不可欠である。

エディフィストラーニング:清澤 正

組織戦略論や組織活性化、コーチング、論理思考など、経営人材育成を専門にセミナー講師を務めている。過去1,000人以上のマネージャーおよびリーダーと議論を重ねた体験を元に、学びが成果につながるベストな学習プログラムをプロデュースしている。

POINT

  • 社会とビジネスが大きく変わる「VUCA」時代とは?
  • マネージャーに求められているのは、もはやマネジメントではない。
  • 強い個の集まりが強いチームをつくる。では、どうすれば“強い個”となれるのか?

まず、なぜ今後シェアド・リーダーシップが大切になるのか教えてください。

社会やビジネスのあり方が加速度的に変化している昨今、VUCA時代という言葉がますます注目を集めています。これはVolatility(変動性、不安定さ)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(不透明性)という4つのキーワードの頭文字をつなげた言葉で、つまり多様なスキルや視点がなければ太刀打ちできない時代を迎えることを表しているのです。このような時代において、リーダーがひとりでソリューションを見つけ出し、意思決定し、チームをけん引することは極めて困難となっていくでしょう。

そこで重要なのが、チームメンバーがそれぞれの能力や知見を持ってリーダーシップを発揮することで、チーム全体のパフォーマンスを最大化する「シェアド・リーダーシップ」になります。メンバー全員がプロフェッショナル意識とリーダーシップマインドを持ち、目標を共創していくことで強いチームを構築するという考えです。

シェアド・リーダーシップにおいてマネジメント職にはどのようなあり方が求められますか?

目標とビジョンを掲げて意思決定し実行に移すという従来の能力に加え、全員が強いリーダーシップを発揮できるよう「メンバーそれぞれの多様な視点や能力をしっかり理解すること」「挑戦しやすい雰囲気などメンバーが心理的安全性を保てる環境をつくること」です。そんなマルチプルな能力を持つ「マルチタスクリーダー」が今後求められるあり方といえます。

また今後、働き方やプロジェクトの進め方などあらゆる場面で変革を余儀なくされるのは間違いありません。そこで必要不可欠となるのが、リスクを取る覚悟を有し、変革に向かってチームを引っ張る勇気です。
新しく何かを実行しようとすると、生産性は一時的に落ち、状態は悪化するものです。それに耐えて前進するために大切なのは、メンバーとの信頼関係をしっかりと築くこと、そして自分のビジョンが本当に正しいのかを途中で見直すなど、アクセルとブレーキをうまく使い分けながら、ときに謙虚に、ときに大胆に進んでいくことと考えております。

変革のV字回復

挑戦することは、これまで築いた基盤崩壊や状況悪化などのリスクを伴うのも事実です。しかしリーダーを信頼し、メンバー同士が力を合わせて突き進んでいけば、必ずV字回復します。

一時的に悪化:マネージャーへの信頼があれば必ずV字回復する。信頼がないと持ち堪えられず…

どうすれば「強い個」となり、リーダーシップを発揮できるような人材になれますか?

これまで、リーダーの指示に従って動くという働き方をしてきた人が、いきなり当事者意識を持って自発的に考えて行動するというのは難しいものです。

そこでまずは、自分自身の現状や役割、進む方向などをしっかり考えることをお勧めします。近い未来を想像し、何が問題となるかを自覚することで危機意識がわき起これば、自ずと当事者意識で物事を考えられるようになるはずです。 「問題を打破するために何ができるか」を考えたとき、その答えは、自分やその回りだけを見る“部分最適”から、組織やお客さま、市場、地域などを広く見渡す“全体最適”へと視点をシフトしたときにはじめて見えてきます。

そして何より、リーダーからの指示を待つのではなく、自分で見つけた課題やテーマに対して率先して動いていく強い意志を持つことが欠かせません。

最後に、これからを勝ち抜くために大切なマインドセットを教えてください。

変化が激しいVUCAの時代でビジネスを停滞させないためには、自ら考え、ビジョンを描き、変化に対応し続けることを常に心がけて動くことが大切です。よく言われることですが、AIやRPAによる定型業務の自動化が進む中で、頭をひねりアイデアを出すという非定型業務の比重が高まるのは間違いありません。
つまり「考えられる人間かどうか」が今後ますます重要になってくるということです。

昨今のコロナ禍で大変な状況ではありますが、これを機にシェアド・リーダーシップがどれくらい実践できているのかを意識し、チーム一丸となって最強のチームづくりに取り組んでみてはいかがでしょうか。

一層広がっていくチーム力のギャップ

指示通りにがんばっていれば現状維持できた時代は終わりました。変化が激しいこれからの時代、しっかり考えて対応するチームとそうでないチームとのギャップは如実に広がっていきます。

事例1セールス編
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)

各専門スキルを持ったメンバー10名でお客さまの要望に応える

キヤノンマーケティングジャパングループ初の取り組みとなった案件に対応するため、プロジェクトチームを発足しました。営業やITソリューションスペシャリストなど各組織の専門スキルを持ったメンパーがそれぞれの役割において主体的にお客さま対応に注力しました。多種多様な10名のメンバーが同じ方向を向いて進むため、お互いに相手のスキルや立場などを考えながら巻き込んだり、課題解決に向けて足りないスキルを補えるよう時には新たな人材を入れてチームを変化させたりなど、ひとつのチームとして連携してプロジェクトを進め、成功に導きました。

チーム構成(メンバー10名):S&S統括、営業、パートナー、ソリューションスペシャリスト、市場品質、営業推進、企画

チームリーダーの所感

チームのあるべき姿は、それぞれの立場で精一杯努力する人たちは何ものにも代えがたいということを表す「照一隅」だと思います。これからの時代は労働者不足で現場の人間が減っていくため、強い個によるチームでパフォーマンスを上げて挑むことが欠かせなくなるでしょう。

事例2ものづくり編
(キヤノンITソリューションズ株式会社)

5つのチームリーダーが集結し、ひとつの大きな強いチームに

プロセスの緻密さが求められるソフトウエア開発において、高品質基準を担保するために5つの作業工程でチームを分けてそれぞれにリーダーを配置し、プロセス管理を徹底しました。各リーダーは自分の担当だけでなく広い視点で全体を見て、お互いに足りないところを補い合い、進められるものは進めた上で最終的な成果物の品質に差があった場合は調整する。そのような工夫を重ねて進めたことで、多様な勤務形態やメンバー構成、また離れた拠点間の遠隔作業でも、柔軟な働き方によるチームワークを実現しました。

チーム構成(SE最大30名):PMを代表として配下に「プロセル管理リーダー(在宅勤務)」「仕様作成リーダー」「設計リーダー」「実装・単体検査リーダー」「結合検査リーダー」

チームリーダーの所感

スピードや柔軟性が問われるこれからの時代で新しい価値を提案するには、各自のスキルを組み合わせて一丸となって取り組む必要性がより高まっていくでしょう。リーダーがメンバーの考えや経験を尊重し、メンバー同士がお互いへの気遣いを忘れないチームワークが大切になりますね。

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