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その美しさ、撮っているのは技と心。日本の新しい写真館

株式会社スタジオジーティ 愛知県名古屋市

洗練されたホテルがあり、緑に囲まれたゲストハウスがあり。ザ・グランドティアラは東海エリアを中心に、それぞれにコンセプトを際立たせた上質な施設を展開する総合結婚式場である。そしてスタジオジーティは、このザ・グランドティアラにおいて婚礼写真サービスを提供している。今回、お客さまにさらなる満足をお届けするために、2006年に導入したデジタルシステムの総入れ替えを実施。撮影スタイル、プレゼンテーション、そしてアルバム制作に至るまで、すべてにオリジナリティを追求する同社の取り組みについて話を伺った。

先駆者の理由。

先駆者の理由。

顧客満足のために、オリジナリティを追求。

例えば前撮りやセレクト方式、そしてデザインアルバムなど。現在では業界の標準となっているさまざまなサービスを、スタジオジーティはつねに他に先駆けて導入してきた歴史がある。それは同社がオリジナリティにこだわってきたからに他ならない。菅原社長はこう語る。
「よくニーズは年々変化していると言いますが、 現実には日々少しずつ変わっているんですね。そうしたことを肌で感じ取りながら、お客さまの個々のご要望にきめ細かくお応えしていくためには、やはり私たち自身も勉強して、新しいオリジナルの商品やサービスを開発していかなければならないと思います」
時代の一歩先を読み、他にはない魅力を創造し提案していく。その積み重ねこそが、顧客満足につながると同社は考えているのだ。

システムを俯瞰する目。

システムを俯瞰する目。

5年ぶりにデジタルシステムの総入れ替えを実施。

スタジオジーティは、デジタル化への取り組みも早い。2006年にカメラ・レンズ・PC・無線LAN・NAS・プリンターのフルソリューションを導入。そしてこの6月に機器の総入れ替えを行っている。その主たる目的は、スナップ撮影を含め100%デジタル化することであったが、システムをトータルにバージョンアップすることにも大きな意味があると取締役の岩井氏は語る。「カメラの画素数が大きくなるなかで、PCが従来のままだったら当然動きは遅い。システムを構成する一つひとつの機器の中身が良くないと、全体の性能も上がらないですからね。今回の入れ替えによって、システムは使いやすくなり、現場の作業効率も上がっていると思います」
また今回は8店舗で一斉にほぼ同様の入れ替えを行っている。これによりクオリティを均一に高めることができるとともに、情報を共有化できるメリットもあるという。

我々がつくったソフト!?

我々がつくったソフト!?

現場のニーズとともに進化してきたDPPS。

画像管理ソフトDigital Photo Presenter for Studio(DPPS)について伺うと「DPPSはね、我々が考えたソフトだと思っていますよ(笑)」とちょっと驚くような答えがかえってきた。同社はDPPSをVer1.0の時代から導入。現場で使用しながらさまざまな意見や要望をキヤノンに出し、それらがVer2.0、Ver3.0と進化するなかで確実に反映されてきたという。だからこそ「我々のソフト」という自負があるのだろう。
「例えば2画面にして比較できるようにしたいとか。選んだものに印をつけて、その後はすぐにコンタクトシートにしてお客さまにお渡しできるようにしたいとか。そういうことが実際にできるようになりましたから。現場のニーズをきちっと形にしてくれた、プレゼンしやすいソフトになっていると思います」と岩井氏。今回のシステム入れ替えではタッチパネルも導入し、よりスマートなプレゼンを可能にしている。

感性を活かす、高感度。

感性を活かす、高感度。

バンケットで活躍する、EOS 5D MarkⅡ。

同社ではEOS 5D MarkⅡを中心に、EOS-1Ds MarkⅡ、EOS 7Dを使用している。導入当初はEOS 5Dを使っていたが、EOS 5DとEOS 5D MarkⅡではまったく別物と認識しているという。
「スナップ撮影でバンケットに入ると、暗かったり、スポットが当たったり、ライトの色が変わったり、条件はかなり厳しいです。EOS 5Dの時は感度を800まで上げたら、ちょっと限界だったかなというのが、今では1600まで上げられる。色の再現性もいいから、撮りやすさも違うんですよ」と岩井氏。EOSの高性能が、一瞬一瞬の歓びの表情を追うカメラマンをサポートしている。また、EFレンズの活用については、カメラマン一人ひとりにまかせているそうだ。
「広角が好きな人もいれば、望遠系が好きな人もいる。それぞれの感性や経験で使い分けているので、そこは縛らないように。個性を活かした表現をしてほしいと考えています」

美しさを撮る、技術と知識。

美しさを撮る、技術と知識。

型物写真のノウハウを、若いカメラマンへ。

カメラマンの教育において同社では「型物写真を撮る技術」を重視している。アルバムの商品性を高めるためには、型物写真とスナップ写真、どちらの魅力も大切と考えているからだ。
「豪華な衣裳を精緻に描写する技術や、和の様式美を引き出す振り付けの知識。こういったものはきちんと指導して経験を積まないと身に付かない。結婚式場のカメラマンとして欠かせないノウハウを若い人にしっかり伝えていきたいですね」と取締役副社長の山田氏は語る。
そうしたノウハウは、スタジオ撮影のみでなく、ロケーション撮影やスナップ撮影にも活きてくる。結果として同社の写真の質を高めることになっている。また同社の場合、お客さまへのプレゼンはカメラマンが行うが、このプロセスも教育という意味では重要なものだ。お客さまから直接、何がいいのか、悪いのか、という評価を聞いて学ぶことができるからだ。

徳川家康の生地も。

徳川家康の生地も。

ロケーション撮影のバリエーションを館外に広げる。

スタジオジーティの場合、前撮りをオーダーされるお客さまの比率が非常に高い。ちなみに名古屋駅前店では9割以上、全体でも8割のお客さまが注文されるそうだ。それは同社の高い撮影技術に裏付けられた商品が評価されている証といえるだろう。こうした前撮りの魅力を増すために、同社では館外でロケーション撮影できるスポットを個々の式場ごとにあらかじめ用意している。名古屋駅前店だったら、名古屋城や名古屋港。今回取材に伺った安城店では、徳川家康の生地・岡崎城がある岡崎公園や丈山苑というように地域の名所をリストアップしている。撮影場所にも特別なこだわりをもったお客さまに対応できるようにしている。

いいものは、世に広まる。

いいものは、世に広まる。

スタジオジーティのシンボル、ティアラアルバム。

オリジナリティを追求するスタジオジーティにとってまさに象徴的な商品がアルバムだ。製本や写真の加工など、これまで他にはないさまざまな工夫や魅力を打ち出してきた。例えば「180度フラットに開くアルバム」もそうだ。同社は1993年頃から現社長の菅原氏が中心となって開発に取り組み、実用新案を取得したうえで1996年に商品化している。この体裁は業界にあっという間に広がっていったが、その後同社は専門のクラフトマンが全工程ハンドメイドで仕上げる「ティアラアルバム」のシステムを確立している。現在では、紙やパーツは品質に優れた日本製のものを使いながら、制作拠点を海外に移すことでコストダウンを実現。個性的なアルバムをリーズナブルな価格で提供している。

映像でも、先駆けるために。

映像でも、先駆けるために。

EOSムービーの商品化に向けた取り組み。

「これはもう絶対にやろうと思ってます」スタジオジーティが、今、商品化の可能性を模索しているのが、EOSムービーによる動画撮影である。すでに、ハイビジョン動画の編集ソフトウエア・EDIUSを導入し、編集できる体制も整え、試験的に作品づくりも行っているそうだ。

「EOSムービーは広角などレンズの使い分けができるから、ビデオでは撮れない映像が撮れる。美しさもビデオとは比べものになりません。私たちとしては前撮りの際にEOSムービーを導入して、商品として販売していけたらと考えています。ただし現状ではピントを合わせるのが難しいというのが課題。固定されたものを撮るのだったら楽なんですけどね」と岩井氏。オリジナリティを追求し続けるスタジオジーティの次なる新商品に期待したい。

(写真はホテルグランドティアラ安城)
株式会社スタジオジーティ

株式会社スタジオジーティ
結婚式場ザ・グランドティアラのフォト事業部門が、2005年に株式会社スタジオジーティとして独立。 現在、ザ・グランドティアラのグループ企業として10店舗を展開している。