
創業83年という歴史をもつストーリーテラー株式会社は、日本の文化を受け継ぐ一方で、時代の変化を敏感にとらえて表現していくことを重視。多様化するニーズに応えるために、さまざまな取り組みを行っている。大阪の本社スタジオにて、取締役・藤田幸氏に話を伺った。

1932年、街の写真館として創業したストーリーテラー。現在では「ポートレート部門」、「ブライダルフォト部門」、「スクール部門」という3つの部門を事業の柱に、全国規模で写真館ビジネスを展開している。「業界の動きとしては、自社の個性を打ち出し業務の効率化を図るために、スタジオ業務ならスタジオ業務といったように、どれかに特化するという店舗も近年は多いようです。しかし我々は、昔ながらの写真館の3つの柱を大切にバランス良く展開していきたい。そうすることが社会情勢の変化やさまざまなリスクに備えることにつながると考えています」と藤田氏は語る。
この3つの事業を推進する強力なパワーとなっているのが、営業企画部門。「ただ待っているだけではビジネスは拡がりません。その危機感から約10年前に営業企画部門を立ち上げました。これによって、例えばポートレート部門でやっていることをブライダルフォト部門やスクール部門に活かしてみるというように、部門の垣根を越えて、新たな商品やサービスの複合的な企画や提案ができるようになりました」。営業企画部門は、今やなくてはならない存在になっている。

阪神百貨店梅田本店に写真室を出店しているストーリーテラーでは、同百貨店が人気の子供服ブランドを揃えているという利点を活かし、2014年夏からキッズを対象とした「SNAP STARコンテスト」を実施。エントリーされた方を対象に撮影会を行い、写真は写真室のウインドーに展示。SNAP STARに選ばれた方は1年間ストーリーテラーの専属モデルになれるというものだ。ストーリーテラーはこのプロモーションに手応えを感じている。SNSでの反響が非常に高いのだ。「コンテストに応募してくるお子さんのお母さん達はとても熱心で、SNSを使って情報交換をされているんですね。当社でもFacebookで情報を発信してきましたが、あまり反応がなかった。しかし、このコンテストを告知し始めてから、リーチ数がぐんと伸びました」と藤田氏。
新たに「SNAP STARマガジン」という専用の情報紙も制作し配布している。「先日、十三参りのサンプル撮影をして掲載させていただいたのですが、“こんなのを着たい”とか“こんなふうに撮ってほしい”というお客さまが多いんです」。話題性を喚起しながら、新しいファンづくりにも役立つ。2年目を迎えた独自企画に可能性を感じている。

1932年創業。ポートレート部門、ブライダルフォト部門、スクールフォト部門、営業企画部門をそなえ、トータルな映像専門企業として多様なニーズに対応。大阪、東京の自社スタジオの他、全国のホテルと提携し写真室を展開している。
URL:http://www.storyteller.co.jp/
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