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何十年後も、会話ができる写真を。フォトソリューションレポート

何十年後も、会話ができる写真を。

有限会社 シイキ写真館 静岡県磐田市

時を経ても、感動がよみがえってくる。見る人に語りかける力をもった写真で、地域の家族の歴史を記録し、残していく。創業90周年を迎え、写真館が果たすべき役割の重要さを再認識しながら、新たな取り組みを行うシイキ写真館の代表取締役社長の椎木雅章さんに話を伺った。


シイキ写真館の考え方と新店舗ボンフルールについて

販売と情報の多チャンネル化を推進。

90年の歴史を知る磐田本店のスタジオ
90年の歴史を知る磐田本店のスタジオ

長い歴史を持つ写真館だからこそ、人々が写真館に求めるものが刻々と変わり、また多様化していることを敏感に感じとっている。そうした変化に対応するため、シイキ写真館では静岡県西部エリアに複数の店舗を展開。創業90周年の歴史を感じさせるレトロモダンな佇まいの磐田本店ハウス&ガーデン、ホテル内専属写真館のホテルコンコルド浜松店、アミューズメント性にこだわったフォトスタジオアミュー、そしてこの秋にオープンした浜松初の全天候型ロケーションスタジオ・ボンフルール。これらコンセプトや業態の異なる6つの店舗を展開するとともに、情報発信の手段もFacebookやInstagramなどSNSをフルに活用。販売と情報、その両面から多チャンネル化を図ることで、顧客との接点を増やし、個性的な店舗を有機的に連携させている。「お客さまにいろいろな選択肢を用意してあげたいと考えています。そうすることで、たとえばアミューに来ていただいた方が、次は本店やボンフルールで撮りたい、というように一定期間に何回も足を運んでいただける。リピーターを増やすことにもつながると考えています」と椎木さんは語る。

斬新な発想で、新たな価値を創造する。

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シイキ写真館が多チャンネル化を推進するのは、同社が独自に開発してきたユニークなサービスを地域のより多くのお客さまに提供したいという想いもあってのことだ。
「0円振袖」もそうしたサービスのひとつ。振袖写真を伸ばしていきたいが、振袖自体が高価な買物ゆえ、写真撮影の予算を抑える方が多い。こうした状況を打破したいと考えていた椎木さんが、6年前にスタートさせた。これは成人式当日および前撮り時の振袖レンタルを無料で提供するというもの。サービス開始1年目の振袖レンタル数はわずか10着程度だったが、口コミで年々評判が広がり、6年目の今年は1,000着を達成したそうだ。「このサービスは絶対に喜ばれる。そういう確信がありましたので、これまで基本的なサービスの仕組みを変えることなく続けてきました。良質な振袖を思い切って仕入れ、お客さまのベネフィット優先で迷いなく取り組んできたことが、成功の秘訣といえるかもしれません」と椎木さん。
ほかにも「家族で祝う成人式」といったお祝い会プランや「無料結婚式」など、撮るだけでなく、“感動の場をプロデュースする”という視点からサービスを充実させ、写真館としての付加価値を高めている。

めざしたのは、写真館のセレクトショップ化。

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シイキ写真館はこの秋、浜松初の全天候型ロケーションスタジオ「ボンフルール」をオープンさせた。降り注ぐ自然光と高い天井による開放感にあふれた空間。白を基調にヨーロッパの家具を配した室内装飾。そして結婚・振袖写真用の「ウェディング」とお子様・家族写真用の「ファミ」と、撮影対象に合わせて2つのスタジオを設けた特徴的なレイアウトなど。採光、空間デザインにこだわった真新しいスタジオで、椎木さんがめざしているのは写真館のセレクトショップ化だ。「写真、衣装、美容をトータルに提供するだけのサービスは、もはやお客さまに飽きられています。これからは、いわばセレクトショップのような感覚で、髪飾りなどの小さなアクセサリーに至るまですべてのクオリティを高めながら自分たちの感性にこだわって、写真をスタイリングしていきたい。一枚一枚の価値を高め、一生の宝物といえるような作品に仕上げてあげたいと考えています」。

(写真左)お客さまを優しく迎えるボンフルールのエントランス/
(写真右)採光や装飾にこだわったボンフルール ウェディング
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業務の効率を高め、顧客満足も向上。

ボンフルールのプレゼンルームでは画像管理ソフトDPPSを活用、写真選びを楽しくスムーズに進めている
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見るたびに、その時の感動がよみがえってくる。そんな作品を残すためにはカメラの性能も重要だと椎木さんは語る。「いま、誰もがスマホなどできれいな写真が撮れる時代です。だから私たちは、プロとして本当にいい写真、つまり人に語りかけ訴えかけてくるような力のある写真を撮っていかなければならない。当然、道具は品質で選びます。EOS-1DXを使っていますが、このカメラの良さはプロが感じたことを素直に表現してくれるところですね。ありのままを自然に描写してくれるから、生命感のある写真を残すことができます」。
シイキ写真館では、このEOS-1DXに加え、無線LAN、画像管理ソフトDPPSなどから構成されるシステムを全店舗に導入している。無線LANによるコードレス環境はフォトグラファーの創造力を解き放つとともに、お客さまが撮影を楽しめるリラックスした雰囲気を実現。またDPPSは業務の効率化に大きく貢献しているそうだ。「たとえばボンフルールでは2つのスタジオをDPPSで一元管理しているんですね。大切なデータの保存はもちろん、画像のセレクトもストレスなくスムーズに行えるので助かっています。お客さまにとっても、DPPSでの写真選びは快適だと思います」。
自らが理想と考える写真を撮るために、ハードにもソフトにも最良を求める。椎木さんのこだわりが息づくスタジオは、これからも新たな顧客満足を生み出していくにちがいない。

写真は磐田本店ハウス&ガーデン
写真:有限会社 シイキ写真館

有限会社 シイキ写真館
1925年創業。現在、静岡県西部エリアにおいて磐田本店ハウス&ガーデンをはじめ、ホテルコンコルド浜松店、フォトスタジオアミューの遠鉄店、愛野店、サンストリート浜北店、そして2015年10月浜松駅前にオープンしたボンフルールの6店舗を展開している。
URL:http://www.shiiki.jp/
(シイキ写真館のサイトへ)