このページの本文へ

価値を創造するロケーション撮影。フォトソリューションレポート

価値を創造するロケーション撮影。

株式会社 田村写真館 天使の森 栃木県宇都宮市

単に写真を撮るだけの場所ではなく、家族が一日を楽しく過ごしながら絆を深めることのできる場所でありたい。「テーマパークのような写真館」をビジョンとして掲げ、時間と空間を楽しめる店舗づくりを推進する田村写真館 天使の森・代表取締役社長の田名網勝さんに話を伺った。


2020年に向けて、天使の森が描くビジョンとは。

オンリーワンの歓びを届けたい。

イメージ

差別化ではなく、独自化を図る。天使の森の徹底した「オンリーワン戦略」は、その施設に如実に表れている。広大な敷地のなかに、多彩な撮影スタジオや衣裳ルーム、美容室などを擁する施設があり、挙式もできる独立型チャペルがあり、さらには絵本の世界を思わせる中庭まで設けられている。こうした店づくりは、2000年にオープンした1号店小山ルミナスに始まり、2005年の宇都宮ヴィラージュ、2009年の佐野オリヴィエへと発展。現在では年間延べ7,000組以上の家族に利用されているという。
「最初に小山店を作り、広い庭に映画のセットのような小屋を建てたんですね。するとお客さまに非常に喜んでいただけました。ロケーション撮影に対する期待が高いのを実感として得ることができたわけです。写真をただ撮るだけではなく、そのプロセスすべてを楽しんでいただくことが我々の仕事なのだ。そう確信して、家族が絆を深めていただくための時間と空間を作ってきたのです」と田名網さん。天使の森は、顧客が何を求めているかをつねに考えながら、どこにもない楽しさを追求している。

お客さまを想う心を「品質」で形に。

イメージ

撮影という行為を含め、そこで過ごす時間のすべてを楽しめる「テーマパークのような写真館」であるためには、圧倒的なハードとともに、撮影技術、ヘアメイク、着付、接客などソフトの品質を高めることが欠かせない。田名網さんはそう考えている。「お客さまのことを大切にしたいと想う我々の心。それを形にするのが品質。だからこそ我々は品質にこだわります。『技術向上委員会』を設け、各セクションで技術を高める取り組みも進めています。また質の高いサービスを届けようとすれば、撮影もヘアメイクも着付も、すべてに時間もかかってきます。それに加えて、七五三などは最近、衣裳の数が増えています。一着ではなく二着三着。結果的に滞在時間が長くなっている。そういう今の傾向のなかで、お客さまに満足いただくために、ゆっくり楽しんでいただける滞在型の空間にしていこうと考えたわけです」。
この秋には、小山ルミナス内に「焼きたてパン」のお店を建てる予定だという。「ただのパン屋さんではないんです。テーマパークの一部としてパン屋を作ろうと構想しています。我々自身も楽しみにしている企画。ちなみに、焼くのは私です」と田名網さん。効率よりも、品質や満足を追求する天使の森は、滞在型スタジオへと進化し続けている。

驚きを与える、ロケーション写真。

イメージ

ヨーロッパの田園風景を思わせる中庭。子どもはもちろん、大人でさえワクワクするような空間は、天使の森の最大の特徴といえるだろう。「一般にスタジオでの撮影は、じっとしているのが前提ですよね。お子さんは“動いちゃダメ”と言われ、なのに“にっこり笑って”と相矛盾したことを言われるわけです。けれどこの庭では、自由に動いて、自由に遊べる。お子さんたちには、これが一番楽しいんですね。だから本当の笑顔が出るんです」と田名網さん。
撮影する時間も楽しめる天使の森。そして、その価値をさらに高めているのがEOS 5D Mark ⅢとEF70-200mm F2.8L IS Ⅱ USMだという。「我々には非常に奥行きのある贅沢な空間があります。望遠ズームレンズを使うことで、その利点を最大限に活かした、ボケ味の美しい写真を撮ることができる。それはお客さまも普段あまり目にすることのない映像、ですから訴求力がある。やはり驚かれますね。“プロの写真はさすが違う”と」。ロケーション撮影では、EF24-70mm F2.8L Ⅱ USMも併用しているそうだ。「庭の小屋は、中に入るとわかりますが小さいんです。その狭い空間での撮影から外に出ての撮影まで、24-70mmはカバーしてくれる。画角の領域がとても使い勝手がいい。また、高感度時の画質劣化も少ないので、夕方やチャペルでの撮影にも重宝しています」。

お客さまと店をつなぐ、ラブリーフォト。

イメージ

どんなに良いお店でも、写真館は毎日訪れる場所ではない。だからこそ、顧客が写真を撮りたいと考えた時に思い起こしてもらえるよう、天使の森では顧客との接点づくりに注力している。そのための活動が「ファミリー会員」だ。会員には様々な特典があるが、年に一回開催される「ラブリーフォト無料撮影会」もそのひとつ。撮影会に参加したお客さまには、キャビネサイズの額入り写真(写真中央)をプレゼントしている。このキャンペーンに、2016年は3店舗で約1,400組の会員が参加したそうだ。さらに会員には、天使の森がオリジナルで制作している情報誌「Comimiけいしょん」(写真左上)も年に3回届けている。
店の存在をつねに身近に感じていただくための施策に加え、七五三では「口コミ」をフルに活用している。そのためのツールが、同店が毎年作成している七五三の「スタイルブック」(写真左下)だ。前年度に七五三を撮影されたお客さまから各店200~300名、3店舗合計約800名がモデルとしてこの冊子に登場。「7年前に始めた当初は20名ぐらいで作成していましたが、モデルをお願いするとお客さまにも喜んでいただける。それならば思い切って、もっと多くのお客さまに出ていただこうと。それで現在のように一冊で300人が登場するスタイルブックになり、結果として口コミ効果もあがっています」。お客さまの接点づくりを大切にした販促活動は、地域における圧倒的な集客へとつながっている。

写真は宇都宮ヴィラージュ
写真:株式会社 田村写真館 天使の森

株式会社 田村写真館 天使の森
1950年創業。天使の森として、小山ルミナス、宇都宮ヴィラージュ、佐野オリヴィエの3店を展開、外販事業部としてスタジオタムラを営業。現在、77名の社員で稼働している。
URL:http://www.angel-forest.jp/
(天使の森のサイトへ)