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もっと大人が楽しめる写真館へ。フォトソリューションレポート

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THE FAVORITE 茨城県牛久市

昨年、吉田写真館は店舗を現在の場所へ移転し、店舗名を“THE FAVORITE(以下フェイバリット)”と名付けた。地域の人々の「お気に入りの場所」として幅広い層に愛されるフォトスタジオづくりをめざす代表の吉田和正氏に話を伺った。


代表取締役の吉田和正さん

牛久の人々の「お気に入りの場所」になりたい。

カリフォルニアをイメージ。大人がゆったりくつろげる開放的なエントランス。
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新たな店舗をつくるにあたり、代表の吉田氏が考えたのは、街の写真館として地域の人々の「お気に入りの場所」となるような店舗にしたいということ。加えて、近年小さなお子さんを意識した写真館が増えているが、お子さんだけに偏るのではなく、もっと「大人」が撮影を楽しむ場にしたいという想いが強くあった。そのため店舗には、大人目線での空間設計やインテリアデザインが施されている。最もこだわったのはエントランス。天井が高く広々とした空間は、実に居心地がいい。「例えば七五三などの撮影では、おじいちゃんやおばあちゃんも来てくれます。着付などで待っている間、遠方から集まった家族がくつろぎながら話をできる場にしたいと思ったんです」と吉田氏は語る。また、建物そのものの存在感もこだわったところだ。白を基調とした外観と広々とした芝生のガーデンは、通りから目を引く。「うちは創業59年、ある程度認知を得ていますが、これからさらに地域で必要とされる存在になっていきたい。そんな想いも込めて、シンボリックな建物がほしかったんです」と吉田氏。新店舗の総敷地面積は400坪。広々としたスペースを確保することで、「駐車場の出し入れが不便」「お客さまの動線が重なってしまう」など、旧店舗が抱えていたハード面での問題も解消されている。

お子さまの誕生時から写真を撮り続けているご家族も多い。
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「なんか、いい感じ」を生み出す撮影スタイル。

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フェイバリットが掲げる写真のテーマは「なんか、いい感じ」。お客さまにそうに感じていただくためにはどうすれば?と伺うと、写真館での体験を楽しんでもらうことが基本だという。「撮影中はお客さまにこちらから指示をすることは、しないようにしています。手で振りをつけると、人って固まってしまうから。いろいろ話しかけてお客さまに自発的に動いてもらい、僕らも動いて撮るという感じですね」と吉田氏。そうしたカジュアルな撮影スタイルを活かすため、スタジオは十分な広さを確保したうえで、和風、洋風モダンなど、いろいろなシチュエーションで撮影できるようになっている。印象的なのは、巨大なLED壁とその前に広がる艶やかなフロアだ。「LEDにするか、白ホリゾントにするか、ちょっと迷ったんですけど、簡単に撮れるというメリットを優先してLEDにしました」。自然光、タングステン、LEDと光源を変えての多ショット撮影を支えるのがEOS 5D Mark Ⅳ。「やはり操作性や安定性など信頼できるカメラですね。僕が気に入っているのは、肌の質感が滑らかに表現できるところ。ポートレートでいちばん大切なところですからね」と吉田氏。

左手前の壁にLEDテープライトが仕込まれている。
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生徒たちの自然な表情を、スチールと動画で捉える。

店内の一角にはスクールアルバムコンテストの表彰楯が飾られている
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フェイバリットは、初代の吉田茂氏が開業した当時から学校アルバムの制作に携わり、現在では牛久市内の10校から制作をまかされている。スタッフがそれぞれに担当校を持ち、毎年工夫を凝らしたアルバムを提案、制作。日本商業写真家協会のスクールアルバムコンテストでは、スクールアルバム大賞をはじめ数多くの賞を受賞している。「我々写真館って学校アルバムの仕事で育てられてきたところがあると思うんです。学校の場合さまざまな環境下で撮影を行うから、ライブな撮影技法が磨かれていく。アルバムづくりの経験も、写真館の商品づくりのベースになっています」と吉田氏は語る。フェイバリットでは、動画も学校アルバムに取り入れている。「一眼で動画が撮れるようになって、まず学校アルバムでチャレンジしてみようか、ということで始めました。動画は面白いですよ。普通カメラを向けると、みんな構えてしまう。でも『これ、動画だよ』と言うと活き活きと動きだす。だから最初は動画で撮っておいて、切り替えてスチールを撮るとすごく自然な表情が撮れるんです」と吉田氏。動画の編集も同社のスタッフが行っているそうだ。「学校の場合は、基本、時系列での編集だから、それほど難しくない。動画を始めるなら、学校アルバムから取り組んでみるのもいいかもしれないね」。

「スチールとムービーが被写体に気づかれることなく簡単に切り替えられるのがいいね」と吉田氏。
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スタジオを活かすために、衣裳にもこだわりたい。

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オープンから1年が経過したフェイバリット。「駆け足でさまざまなことに取り組んできたので、ここで一旦立ち止まり、ひとつひとつの商品やサービスの質を見直していきたい」と吉田氏は考えている。なかでも、これからこだわっていきたいと考えているのが衣裳だ。七五三や振袖の衣裳にも流行、好みの変化がある。それを踏まえながら、これまでフェイバリットでは「この衣裳なら、お子さんやお嬢さんが喜ぶだろう」というお客さま視点で衣裳を幅広く揃えてきた。しかし新しいスタジオで撮影を行うなかで「うちのスタジオに合う衣裳に絞って揃えたほうがいい」と感じるようになったそうだ。「新しいスタジオで撮った写真を『一枚の絵』として見たときに、衣裳の色や雰囲気がどうかなと感じることがあったんですね。だから今後はフェイバリットらしい写真を届けるためにもセレクトした衣裳を置いていきたいなと考えています」と吉田氏。自分たちも楽しみながら、地域のお客さまの「お気に入りの場所」となり、「お気に入りの思い出」を撮る。フェイバリットが追求する、フェイバリットな写真に注目したい。

モデル募集企画「オシャレキッズ」では、フェイバリットならではのコーディネイトを提案。
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THE FAVORITE

THE FAVORITE
1961年、初代の吉田茂氏が吉田写真館を開業。牛久市において記念写真や学校アルバムに携わり地域とともに発展。2005年、2代目の吉田和正氏が代表に就任。2019年、店舗名をTHE FAVORITEに改名し現在の店舗を移転オープン。
URL:https://favoritephoto.jp
(THE FAVORITEのサイトへ)