HDR放送の標準規格として準備が進められているHybrid Log-Gamma(Y/RGB)に対応※。本格運用に先立ち、同ガンマによるコンテンツ制作の検討と準備を進められます。
業務用4KディスプレイDP-V3010
特長

4Kデジタルシネマ対応の高画質
HDR(ハイダイナミックレンジ)表示対応
広いダイナミックレンジを持つS M P T E 提唱の映像規格「SMPTE ST 2084」や、キヤノン独自の映像記録方式 「Canon Log」、「Canon Log 2」に対応したHDR表示を実現。これにより、これまでは白とびや黒つぶれした状態になり 再現が難しかった映像も、ディスプレイ上でディテールのある表示が可能。また、キヤノンのデジタルシネマカメラ「EOS C500/EOS C500 PL」や「EOS C300 Mark II」と合わせて用いることで、映像の入力から出力まで、さまざまなシーンで 印象的な映像の制作が容易になります。
Hybrid Log-Gamma対応

- ※2016年3月時点で公開されている最新のHybrid Log-Gamma規格(ドラフト版)に対応。
波形モニターのHDR対応スケール表示
UHD BLU-RAYやHDR放送に採用されるSMPTE ST.2084、Canon Log~Canon Log 3ガンマのHDR入力信号に応じ、スケール表示を最適化※。HDR制作時の確認が容易になります。
- ※単位はnit(ST 2084時)、%(Canon Logガンマ時)。

次世代放送規格「ITU-R BT.2020」の色域を持つ映像素材の表示機能を追加

これまでの「ITU-R BT.2020」の色域を持つ映像素材の表示方法に加え、キヤノン独自の技術により「DP-V3010」の色域外の色相再現を優先した映像表示方法を追加。従来の「DP-V3010」の色域内の忠実な色再現を優先した表示方法と合わせて2通りの映像表示が可能になるため、映像の用途や作業に応じて、最適な表示方法で映像の色表現を選択できます。
「ACESproxy(ACES 1.0)」に対応予定※1
AMPAS※2が提唱するカラーマネジメント規格ACES※3の伝送規格「ACESproxy」の最新規格に対応予定。「ACESproxy」 に対応した入力機器と接続することにより、撮影現場と編集現場での映像の色味を一致させることができるため、映像制作における作業効率向上に貢献します。
- ※12014年9月4日発表の「DP-V3010」を対象としたファームウエアで「ACESproxy(ACES 0.7)」に対応。本リリースの発表日時点では、AMPASが公開している「ACES 1.0 Developer Release」に基づき動作確認。
- ※2「Academy of Motion Picture Arts and Sciences(映画芸術科学アカデミー)」の略。
- ※3「Academy Color Encoding System(アカデミー色符号仕様)」の略。
豊かな色彩を再現する広色域

豊かな色彩を再現する独自設計のRGB LED バックライトシステムとIPS液晶パネルを搭載。DCI( SMPTE RP431-2)色域に加え、複数の放送規格ITU-R BT.709、EBU、SMPTE-C、Adobe RGBの色域表示にも適しています※。
- ※RGB色度点は完全には包含されません。
Cinema Gamut/DCI-P3+色域の映像確認を実現
「EOS C500/EOS C500PL」が対応するCinema Gamutと DCI-P3+の広色域で撮影・収録された映像素材を表示・確認する ことが可能になります。その他、現行で対応している多様な色域も 合わせ、柔軟なモニタリングを実現します。
YCbCr 4:4:4など各種映像フォーマットに対応
デジタルシネマの映像制作に用いられるYCbCr 4:4:4、普及が進む 48fps※など、各種の映像フォーマットに対応します。
- ※業務用4Kディスプレイとして初めて対応。キヤノン調べ。2014年9月4日現在。
高精度ユニフォーミティ
独自開発のディスプレイ用映像エンジンを搭載し、きめ細かい調整をすることで画面内の色・輝度ムラを防ぎ、高精度な均一性を実現しています。
なめらかで正確な階調特性
10-bitパネルドライバーとディスプレイ用映像エンジンにより、RGB各色の濃淡を1024段階で表示し、滑らかで正確な階調特性を実現しています。
高解像度

4096×2560ピクセルを有する高解像度IPS液晶パネルの採用により、DCI規格の4096×2160の映像信号をドット・バイ・ドットで余すことなく表示することが可能。また画面のアスペクト比が16:10のため、高解像度の静止画加工、CGや特殊効果VFX制作などの編集作業にも適しています。
高コントラスト
キヤノンの画像処理技術と高コントラストのIPS液晶パネルにより、コントラスト比2000:1以上(DCI規格)を実現しています。デジタルシネマ制作で重要とされる暗部の階調表現を正確に再現し、夜景などの暗いシーンにおいても、撮影した映像を忠実に表示します。
広視野角

IPS液晶パネルと適切な光学設計により、広視野角を実現。視野角による色やコントラストの変化が少ない映像表示が可能となり、編集室などでの複数人による画質確認にも有効です。
2K/フルHD入力対応

2K/フルHD映像制作において、3つの拡大表示モードを搭載。斜め線のジャギーが目立たない滑らかな表示を実現するキヤノン独自の表示モード(シェープトレース)など、用途に応じた画質表示が可能です。
映像制作ディスプレイとしての充実機能
「Canon Log 3」対応
Canon Log/Canon Log 2に加え、最新のCanon Log 3ガンマに対応。撮影した映像をモニタリングに適した階調特性に変換して表示・確認できるほか、HDR表示のあり/なし切り換え、比較表示などが可能です。
映像編集ワークフローと高い親和性を持つ「Canon Log 2」に対応
広いダイナミックレンジを持ち、撮影後に行われるカラーグレーディングなどの映像編集作業と高い親和性を持つ「Canon Log 2」に対応。「Canon Log 2」を採用している“EOS C300Mark II”で撮影した映像を、階調性を損ねることなく表示できるため、編集作業の精度向上に貢献します。
コントラスト向上(黒レベル抑制)

「バックライトコントロール」に、黒レベルの上昇を従来よりも抑制する新モードを追加しました。新モードでは黒レベルが維持されるため、黒浮きが少なく、コントラスト比がさらに向上します。
映像制作における作業効率を向上させる各種機能の追加・性能向上
- ピクチャーモード毎に複数のLUT、ASC CDLを使用可能にする機能を追加。
- OSD表示サイズの選択機能を追加。
- 映像表示の切り替え速度を向上。
- その他、各種操作性を改善。
Canon Logガンマ対応
ディスプレイ本体にCanon Logガンマに対応した専用ピクチャーモードを搭載。CINEMA EOS SYSTEMで撮影したCanon Logガンマ映像をモニタリングに適した階調特性に変換し、撮影現場で確認できます。
ASC CDL対応
映像制作ワークフローで用いられているASC CDL※での画質調整機能を搭載。付属のディスプレイコントローラーを使用し、ディスプレイ単体でCDLファイルの作成ができます。また撮影現場で作成したCDLファイルをUSBメモリーでディスプレイ本体や編集機器にエクスポート・インポートすることにより、撮影現場の調整結果をワークフローで活用できます。
- ※ASC CDL:American Society of Cinematographers Color Decision List
1D/3D-LUTインポート
カラーグレーディング機器で作成した1D/3D-LUTのデータをディスプレイ本体のメニュー操作で簡単にインポート可能。映像制作現場で制作者の意図に応じた色、階調表現を再現します。また、1D/3D-LUTのデータを使用することで、EOS C500のACESproxyにも対応予定です。
ピーキング機能の追加
フォーカスの状態をひと目で確認できるピーキング機能を追加。高精細な映像制作において、フォーカス調整時のピント合わせに有効です。

- ※画像はイメージです。
3G-SDIとHD-SDIの自動切り換え機能
入力設定に「3G/HD-SDI 1、2」を追加。入力の種類に応じて自動 的に切り換わるため、逐一メニューを操作する必要がなくなります。 また、「4K Input」選択時に両入力が混在した場合は、接続する端子に よって優先順を判別し、3G-SDIまたはHD-SDIのみを表示します。
色温度設定のゲインR/G/B、バイアスR/G/Bの個別設定機能
プリセット時の色温度設定においてゲインR/G/B、バイアスR/G/Bの個別調整機能を追加。 ITU-R BT.709などの色域値からの微調整が可能となります。
インターフェース

インターフェースには、3G/HD-SDIに加え、DisplayPortを標準装備し、多様なビデオ信号、コンピューター入力信号に対応しています。DCIの定める4096×2160/24Pに加え、4096×2160/60Pおよび3840×2160/60Pに対応。4KデジタルシネマやUHDの映像制作でも使用可能です。
その他の機能
●各種マーカー表示 ●タイムコード表示 ●モノクロ ●ブルーオンリー ●レッド/グリーン/ブルーオフ ●Hディレイ/Vディレイ ●テストパターン表示 ●カラーレンジ設定 ●I/P変換設定 ●PsF設定 ●バックライトスキャン設定 ●設定エクスポート/インポート
業務用としての高い信頼性
工場出荷前に1台ずつ高精度に調整
5つの主要色域(DCI、ITU-R BT.709、EBU、SMPTE-C、 Adobe RGB)は、工場出荷前に1台ごとに高精度な画質調整を実施し、 極めて高い色精度を実現しています。
色・輝度の自動補正システム
独自の制御システムを搭載し、色・輝度の変動や経年変化を補正することで、長期にわたる安定性を実現しています。
PCレスキャリブレーション

他社製の外付けセンサー※を接続することにより、パソコンを使用することなく、使用環境や用途に合わせてキャリブレーションが可能です。
優れた操作性
ディスプレイコントローラー
- ・多機能でありながら、容易な操作性を提供するボタンのゾーニング
- ・直感的かつ快適に画質調整できるツマミ
- ・卓上だけでなく、19インチラックにも取り付け可能
OSD※メニュー
- ・一覧性に優れたメニュー
- ・画質調整時は、画面下部にスライドバーを表示させ、映像を隠すことなく、画質調整が可能
- ※OSD:On Screen Display
映像制作の効率を高める各種機能の追加
ユーザーの要望を反映した機能を追加することにより、さらに快適で便利なモニタリング環境を実現します。
- Payloadがない信号のPsF変換
- ファンクションボタンに登録された機能を、ディスプレイ上で一覧表示する機能
- バナー表示の「非表示(オフ)」の選択機能
- メニュー、画質調整用のスライドバー、タイムコードなどOSD※表示位置の選択機能
- ※「On Screen Display」の略。各種設定画面をディスプレイ上に表示して操作する機能。