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トップ > ITのチカラ [Vol.3] マルウェア解析サービス > P2
マルウェアによる情報漏えいなど、企業が情報セキュリティーにおいて直面するリスクは日々高まっている。キヤノンITソリューションズ(以下、キヤノンITS)が提供する「マルウェア解析サービス」について、基盤セキュリティ企画センターの石川堤一(ていいち)、木谷(きたに) 浩、プロダクト企画センターの輿水(こしみず)直貴が解説する。
今回のポイント
インタビュー
*インシデント対応:情報セキュリティー分野において、コンピューターやネットワークのセキュリティーを脅かす事象に対応すること
――マルウェアの解析については、従来は、キヤノンITSで提供しているウイルス対策ソフト「ESET(イーセット)」の開発元であるESET社に解析を依頼していたそうですが、今回の「マルウェア解析サービス」ではキヤノンITSが直接解析を行うのでしょうか。
輿水
「マルウェア解析サービス」では、当社が解析の体制を整えてサービスを提供しています。サービス開始までに、高い技術力とノウハウを持つESET社と連携して、技術者のトレーニングを重ねました。マルウェア解析は高い専門性が求められるだけでなく、最新のトレンドにも精通している必要がある分野ですが、これまでの経験とトレーニングによって国内有数のマルウェア解析力を有していると自負しています。
あえて国内でマルウェア解析を手掛けることにしたのは、お客さまがよりスピーディーなレスポンスを必要とされているためです。スロバキアにあるESET社へお預かりした検体の解析を依頼しても、時差の関係からどうしてもタイムラグが生じてしまいます。今回、国内に解析体制を整えたことで、より迅速な対応が可能になりました。また、「マルウェア解析サービス」は、「ESET」のご利用の有無にかかわらず、幅広いお客さまにご利用いただけます。
――キヤノンITSがマルウェア解析を手掛けることについて、どんな点に強みがあると考えていますか。
石川
同様のマルウェア解析サービスを手掛けている企業は、セキュリティー対策サービスの提供を事業の中心にしているところが多いのではないかと思います。この点、キヤノンITSでは、ソフトウエアだけでなくネットワークからエンドポイントまで、包括的なセキュリティーソリューションを提供できることが、他社に対する優位性だといえるでしょう。
輿水
当社では、これまで情報セキュリティー分野において、「ESET」に限らずさまざまなソリューションを提供してきました。そこで得た知識や経験を、マルウェア解析という新たな分野のサービスでも生かしていきたいと考えています。
マルウェアが発見された場合、キヤノンITSに解析を依頼して検体を提出すると、キヤノンITS内の解析チームがまず解析の可否を判断。解析可能な場合は迅速に解析作業に取りかかる。その後、検体の概要、通信先情報、通信データ、感染確認手順、復旧方法などが記載された報告書が作成・提出される。