カテゴリーを選択

トップ > ヒットのピント [Vol.3] 購買心理 > P2

  • Twitter
  • Facebook
  • 売れるモノには理由がある ヒットのピント
  • 2017.05.16

どのような仕掛けを施せば消費者の"買う気スイッチ"を入れることができるのか
[Vol.3] 購買心理

値引きは最後の手段 その前に"一手"を打つ


(Illustration:shoko terata)

スーパーやドラッグストアには必ずある買い物かごだが、実はこれも買う気スイッチを入れるためのツールになっている。かごがあれば"ついで買い"がしたくなるのが人の心理。実際、かごを持った場合は、75%の客が商品を購入するが、持たない場合は35%しか購入しないというデータもある。目的買いが中心の店でも、買い物かごは売り場に設置しておくべきだろう。

業種・業態によっては、販売員の力も買う気スイッチに影響する。特に電器量販店は、客の多くが販売員からの適切なアドバイスを求めて訪れるため、収穫がなければ客はスイッチを切りかねない。もっとも、最初からネットで購入するつもりの客もいる。だからこそ販売員には、他店やネットより多少高くても、「この人から買いたい」と思わせる営業力が求められる。客の希望を聞き取れるヒアリング力、的確に応えられる知識力、信頼関係を築けるコミュニケーション力は強み。その場で他店との価格比較まで容易にできてしまう時代にあって、最後の最後に心を動かすのは、人の力なのである。

販売促進の手法を考えるのは、心理学を学ぶのと同じ。値引きも手法のひとつだが、それに頼っていては、企業は互いの首を絞めるだけ。値引きの前の一手をどこで打つのか――。購買心理を読み取った施策が、今、求められている。

株式会社パルディア代表
中沢 敦さん
1967年生まれ。千葉商科大学卒業。1991年大手広告代理店・協同広告に入社。多種多様なプロモーションに携わる。1996年会社設立。以後、店頭プロモーションに特化し、流通チェーンや消費財メーカーの店頭戦略を立案する。著書に『今すぐ売上が伸びる!店頭プロモーション術』(PHP研究所)など
  • 前のページ

    注意→関心→欲求→比較→行動
    購買心理を押さえた工夫を施す

C-magazine サイト トップページに戻る

PDFで閲覧する場合は、デジタルアーカイブスへ

このページのトップへ