写真集制作レポート

第1回SHINESに入選した8名が、いよいよ写真集を制作していきます。写真を「撮る」こと、「選ぶ」こと、そして「写真集」という本に仕上げること。それぞれに別の視点が必要です。「写真」から「写真集」へ。その制作過程は自問自答の連続でした。少しずつゴールを見出していく彼らの一部始終をレポートします。

個別ミーティング/
Photographer 村井詩都氏 Vol.1

1st meeting

ポートフォリオをそのまま再現したいというわけではなく、イラストとかデザインの本のような感じで作りたいと思っている、と語っていた村井氏。その真意は、表現から遠いところにいきたい、被写体を遠くから見つめたい、という思いからでした。

フォーカスが合っていない作品が多いのは、被写体にこだわらず、ある一定の距離を置き、具体的ではないほうがいいという考えから。国籍も、性別も、誰が撮ったかもわからない写真集を作りたい、というのが村井氏のアイデアです。

グラフィックデザイナーの町口氏と、作品や写真集の方向性を共有したあと、次回までに抽象的な写真を200枚提出することを課題として終了しました。

2nd meeting

提出した256枚をはがきサイズにプリントし、分類作業を行いました。距離感、色合い、構図などの系統で分けたあと、村井氏が60枚ほどを選び、残りを町口氏が選ぶ作業を実施。写真は具体的なものよりも、より単純なものや情報の少ないものを選び、飛び込みの抽象的なイメージを大切にしました。

町口氏からは、村井氏は2秒に満たない飛び込みの決定的瞬間を撮っているのではなく、“間”を撮っているのではないかと指摘があり、彼女自身が気づかなかった作品の特徴に気づくことになりました。次回のミーティングでは、選別された作品を基に、町口氏が作成したダミーブックからイメージを詰めていきます。