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トップ > 特集 変わる時代、変わらぬ信頼―"長く愛され続ける企業"の条件 > P5
技術革新、グローバル化、人口減少──。かつてない激動の時代を迎えている今日、企業が継続的に成長するのはいよいよ難しくなっている。
この変化の時代にあって、企業が顧客からの変わらぬ信頼を獲得し続けるにはどうすればいいのだろうか。
過去数十年にわたって活動を続けてきた企業の意志や挑戦に、これからの時代に愛され続ける企業のヒントを探る。
時代とともに変化する消費者のニーズ。
ロングセラー商品と呼ばれるものは、一見変わっていないように思えるが、実は少しずつ変化を続けているのだ。
ロングセラー商品のヒミツに迫る。
消費者の舌に合わせた変化球を
1980年ごろに発売された「赤いきつね」と「緑のたぬき」のこだわりは、日本全国の地域を4つに分け、「だし」の素材、味わいを変化させていることにある。西日本や関西では薄口しょうゆを加えつつ、甘みを出す。一方、東日本や北海道では昆布のうま味を引き立たせしょうゆで仕上げている。また、麺は時代に合わせて改良を重ね、現代人の嗜好に合わせた喉ごしの良さを実現した。近年、和食文化が世界に広がり、「だし」のうま味に気付いた外国人から、「カップうどん・そば」は手軽に楽しめる和食として注目が集まりつつある。
時代と人とともに成長を続ける
1975年に登場したキャンパスノート。約40年の間に5回の大きなリニューアルを繰り返してきた。それぞれの時代の学生のニーズに合わせて進化してきたが、中でも直近の2011年の変化が大きかった。ロゴのデザインを一新。鉛筆だけでなくボールペンなどインク物の筆記用具でも書きやすく、ビジネスでも使いやすい仕様になった。ターゲットを拡大するため、ビジネスパーソン向けの「大人キャンパス」シリーズや、教科書をたくさん持ち歩く学生向けに重い荷物を持つ負担を軽くする、薄くて軽い「スマートキャンパス」など、幅広い商品を展開している。
乙女ごころは今も昔も変わらない
1950年の戦後間もないころに登場した「マダムジュジュ」。当時の奥さまへおやすみ前のクリームとして誕生し人気商品になった。一時期「おばあちゃんが使う化粧品」というイメージで販売が低迷していたが、一昨年、発売から65周年を機に、63年の広告「マダムパック」「これだけ塗り」と当時のコピーのまま広告を打ったところ、たちまち"レトロかわいい"広告と話題に。たっぷり厚めに塗る「白塗り」が若者の間で人気になり、新規の顧客獲得に成功。2016年には現代版に香りをアレンジし、「マダムジュジュ 恋する肌」を発売。シリーズで売上昨年対比200%と好調だ。