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トップ > ITのチカラ [Vol.1] 「Salesforce」を活用した金融機関向け法人営業支援システム > P1
市場環境の変化により、営業活動の効率化と顧客満足度向上の両立が課題となっている生命保険会社の法人営業部門。
キヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)が提供する、金融機関向け法人営業支援システムについて、ビジネスソリューションカンパニーMA販売事業部の木下史章、大田恭裕、酒井陽介が解説する。
今回のポイント
ケーススタディー
――生命保険会社の法人営業部門にはどのような課題があるのでしょうか。
木下
少子化で個人向け保険が伸び悩む中、企業向け保険のシェア争いは、生命保険会社間で厳しさを増しています。法人営業部門が主に扱う団体保険と企業年金、特に団体保険は商品内容での差別化が難しいため、顧客対応や情報連携を武器とした、営業活動の効率化や顧客満足度の向上が課題となっています。
コンプライアンス意識の高まりによって、商談で重要なお客さまの“インフォーマル”な情報を短時間で引き出すことが難しくなっています。さらに、金融機関では一般に3年に一度程度の人事異動が行われるため、前任者が築いた人脈が失われ、ゼロから関係構築をはじめなければならないケースもあります。
――キヤノンMJでは、CRM(顧客管理)、SFA(営業支援)市場で支持されているクラウドサービス「Salesforce」を活用した「金融機関向け法人営業支援システム」を提供しています。このシステムの概要を教えてください。
酒井
Salesforceは、もともとキヤノンMJがユーザーとして利用し、代理店として販売するようになった製品です。お客さま情報を起点としてデータを蓄積し、営業活動に活用する点に特長があります。例えば取引高などの案件情報に加えて、いつ誰がどのお客さまと面談したかといった活動履歴や今後の活動予定、担当のお客さま個人の経歴や趣味などを集約できるのです。これまで個別のシステムに蓄積していた情報を、一元管理してリアルタイムに把握することで、有効な営業戦略の立案が可能になります。
カスタマイズが容易な点もポイントです。蓄積すべき情報や、どのような形で情報を確認するかは、営業スタイルの変化や法律の改正などによって度々変わります。Salesforceであれば、ドラッグ&ドロップなどの簡単な操作で、柔軟かつ迅速に対応することができます。キヤノンMJ自身がSalesforceを採用した理由の一つにこの点もありました。
大田
柔軟性の高さはSalesforceの特長です。変化の兆しはありますが、金融機関のシステム構築では堅牢性や信頼性が重視され、それらに比べると柔軟性の優先度はそれほど高くありません。
しかし、法人営業の現状を考えると、柔軟性の高さは大きな武器になります。組織改編などで顧客との接点が変われば営業スタイルも変わりますし、営業効率向上の観点から、業務フローを見直して改善していく頻度も高い。システムを簡単に変更でき、基幹システムとの連携も容易なSalesforceは、営業支援にマッチするのです。