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トップ > ITのチカラ [Vol.15] 「2025年の崖」をいかにして超えるか > ソリューションレポート
2018年に経済産業省が発表した「DXレポート」では、その中で指摘された「2025年の崖」に注目が集まった。日本ではDX(デジタルトランスフォーメーション)への対応が遅れており、このままでは2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生まれるというものだ。目を向けるべき課題と取り組むべき施策について考える。
今回のポイント
ソリューションレポート
DXというキーワードが注目されるようになり、多くの企業がデジタル技術を活用したビジネスやサービスの創出を迫られています。これからの時代は、変革の波に対応していくにはビジネスで必要なアプリケーションを迅速に整え、競合他社に先んじて自社の優位性を確立していく必要があるでしょう。
急速に変化するビジネスのニーズをダイレクトに反映したアプリケーションは、より現場に近い業務担当者が自ら作るのが最も近道になります。実際、米国企業では、事業部門の担当者が業務で直面している課題に対して自らアプリケーションを開発するケースも珍しくありません。
このような背景から、キヤノンITソリューションズ(以下、キヤノンITS)では、企業の事業部門とIT部門、あるいはSIベンダーが密に連携を取る「共創型」のアプリケーション開発が、日本では今後さらに進んでいくと考えています。そこで活用が期待されるのは、「超高速開発プラットフォーム」や、プログラミングが少ない、あるいは不要な「ローコード(ノーコード)開発プラットフォーム」などと呼ばれるアプリケーション開発プラットフォームです。
キヤノンITSは、2005年からローコード開発プラットフォーム「Web Performer(ウェブパフォーマ)」を提供し、すでに1000社を超えるお客さまに導入いただいています。「Web Performer」は、業務仕様情報に基づいてアプリケーションのソースコードを自動で生成するほか、リポジトリ(アプリケーションの情報データベース)を基にHTML形式の仕様ドキュメントを出力することも可能です。従来のアプリケーション開発の現場では、メンテナンスを重ねるうちに設計書に記載された内容と乖離していき、仕様がブラックボックス化してしまうという問題がありました。「Web Performer」であれば、常に最新の仕様ドキュメントを出力できるため、そういった問題は起こりません。
2019年4月にリリースした最新バージョンでは、RPA(Robotic Process Automation)の考え方を取り入れ、テスト工程を自動化する仕組みやアプリケーションの操作方法などの問い合わせに自動対応するチャットボット機能も実装。IT部門の作業負担軽減により、アプリケーションの企画・設計に注力できる環境を整えました。
今後は、例えばAI(人工知能)技術を活用してリポジトリへの各種情報定義を簡略化するなど、さらなる自動化の実現にチャレンジしていきます。
ノンプログラミングでWebアプリケーションを自動生成する「Web Performer」を利用することで、コーディング自動化と品質の均一化により、開発期間の短縮が可能になる