写真集制作レポート

第1回SHINESに入選した8名が、いよいよ写真集を制作していきます。写真を「撮る」こと、「選ぶ」こと、そして「写真集」という本に仕上げること。それぞれに別の視点が必要です。「写真」から「写真集」へ。その制作過程は自問自答の連続でした。少しずつゴールを見出していく彼らの一部始終をレポートします。

個別ミーティング/
Photographer 嶋田篤人氏 Vol.1

1st meeting

嶋田氏は、自分の写真を待っていてくれる人が絶対にどこかにいる、その人を思いながら撮影やプリントをしていると言います。今までもプリントに重きを置いていた嶋田氏ですが、「プリントと異なり、写真集は流通することによって、どこにでも行く可能性を秘めている」と感じています。しかし、「写真集」自体のアイデアはまだありません。今までプリントを介して自分の作品を表現していた嶋田氏にとって、ダミーブックを作ること自体が大きな挑戦となります。

嶋田氏を選んだtwelvebooksの濱中氏から、嶋田さんの写真集をMACKのFirst Book Awardに推薦したい、という提案がありました。嶋田氏は、次回までにダミーブックを1冊作成し、今後の対策を検討することとなりました。

※First Book Awardとは、質の高い写真集を出版していることで評判の高いイギリスの出版社MACK(http://www.mackbooks.co.uk/)が主催する、写真集の賞。2012年より新進気鋭の作家をサポートする目的で設立されました。今まで一度も写真集を出版したことのない写真家(私家版を除く)が対象で、推薦枠を持っている人からの推薦がなければ応募できない賞です。
2018年は日本人である富安隼久氏がグランプリを受賞しております。(受賞した写真集の閲覧と購入はこちら)なお、2019年からは応募ルールが変更となり、誰でも自由に応募可能となります。

【グラフィックデザイナー町口氏からのアドバイス】

最初はみんな、自分の写真の並べ方がわかりません。それをやること自体が写真家としての行為となります。ダミーブックを通して、自分の写真に再度向き合うこともできると思います。ダミーブックを作っている時に出てきた言葉をメモし、言葉をためていきましょう。自分の考えを整理するのにも役立ちます。