写真集制作レポート

第1回SHINESに入選した8名が、いよいよ写真集を制作していきます。写真を「撮る」こと、「選ぶ」こと、そして「写真集」という本に仕上げること。それぞれに別の視点が必要です。「写真」から「写真集」へ。その制作過程は自問自答の連続でした。少しずつゴールを見出していく彼らの一部始終をレポートします。

個別ミーティング/
Photographer 石井靖久氏 Vol.4

6th meeting

マケットを作り、本としてのカタチと流れを確認した石井氏。ステートメントを論理的に構成するため、イントロダクション(背景)、方法、結果、考察など、いわゆる「論文的な構成」にしたと石井氏は言います。

※マケットとは写真集の試作のこと。

タイトルも試案を提出。また、論文のように、タイトルと共にいくつかのキーワードを示し、写真集のテーマ、方向性がわかるアイデアを出していきます。

「コンセプチュアルな作品は特にステートメントが読まれます。審査員として参加したパリのコンテストでも、コンセプトに対する評価の比重が高かったことがわかりました」とグラフィックデザイナーの町口氏は言います。 石井氏も「日本と外国では、歴史的・地理的背景から日本人同士のような共通の感覚が少ない。そのギャップを埋めるためにも言語化は必要だと思っています」と言い、英訳の必要性を感じ、翻訳の依頼をかけることとなりました。

全体構成がほぼまとまった石井氏。次は表紙の話に進みます。表紙を布素材で作ることを検討していましたが、町口氏は表紙も染色することを提案。次回の打ち合わせではいくつかの布に染色したものを確認することになりました。