写真集制作レポート

第1回SHINESに入選した8名が、いよいよ写真集を制作していきます。写真を「撮る」こと、「選ぶ」こと、そして「写真集」という本に仕上げること。それぞれに別の視点が必要です。「写真」から「写真集」へ。その制作過程は自問自答の連続でした。少しずつゴールを見出していく彼らの一部始終をレポートします。

個別ミーティング/
Photographer 村井詩都氏 Vol.2

3rd meeting

打ち合わせ当初から、イラストやデザインの本のように作りたいと希望していた村井氏。今も彼女の考えが一貫していることを確認したグラフィックデザイナーの町口氏は、村井氏との会話を重ねる中で感じた彼女の印象や、写真選定の傾向、そしてスポーツ写真界への彼女の気持ちを汲みながらマケットを作成しました。

※マケットとは写真集の試作のこと。

マケットを見た瞬間、村井氏をはじめ、スタッフ・関係者全員驚きました。それは写真がメインの写真集においてデザイナーの力量を見せつけられたからです。マケットを手に取ったまま村井氏はしばらく感激していました。

町口氏は、「この写真集に対してインタビューを受けるのは村井さん。この写真集で世に出ていくという覚悟をもってほしい。次回の方向性にも繋がるからです。村井さんの中で、この写真集をしっかりと咀嚼することが大事です」と言います。

町口氏はあるコンセプトをもとにマケットを作成しています。そのコンセプトを写真集のタイトルとして、村井氏に提案をしました。しかし写真集のイメージは、タイトルによって大きく変わることもあるため、タイトルの最終決定は作家である村井氏に委ねました。

4th meeting

マケットをもとに、タイトル案を3通り考えた村井氏。町口氏から提案のあった、コンセプトから繋がるタイトルも非常に魅力的でしたが、村井氏の写真家としての姿勢、これからの方向性を考慮して、自分の中で納得のいくタイトル「Will You Please Be Quiet, Please?」に決定しました。

しかし、ある小説のタイトルを引用しているため、奥付の表記方法で確認が必要でした。村井氏は、一つ一つが初めての経験の中、自分で調べ、確認し、納得した上で奥付の表記方法も決定。写真集は完成しました。