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トップ > Cのキセキ Episode.32 「MREAL S1」 > P4
デジタルの力を最大限に活用し、ビジネスの在り方を変革していくDXが大きなうねりとなってきた。そんな中、ものづくりの現場に大きな変革をもたらすと注目を集めているのが「MR」だ。キヤノンが研究・開発を続けてきた最先端のデジタル技術が持つ可能性を探る。
軽量かつコンパクトで、利用環境の制限が減った「MREAL S1」。大きなブレイクスルーを果たした背景には「ユーザーの声」があったと武本は話す。
「『MREAL』は産業用途で先進的な取り組みをされているお客さまに利用されてきました。『MREAL』の開発チームと実際に利用しているユーザーとの距離が近いことから、お客さまから直接要望をうかがうことができます。そうした要望に応えることを目標にすることで、寄り道せずに開発を進めることができました」
竹谷は「MREAL S1」の登場で生まれる新しいニーズにも期待しているという。
「コンパクト化やポータビリティを実現した『MREAL S1』は、従来のお客さまだけでなく、新たな領域のお客さまに利用していただける製品になっています。そうしたお客さまから届く声も取り入れながら、幅広い領域で活用される製品を目指していきます」
実際に「MREAL S1」への反響は大きいと、高橋は話す。
「手軽に利用できるようになったことで、今後さらに多様な業界で『MREAL』の利用が広がっていくと期待しています。例えば建設や建築業界は、以前より作業現場や屋外でxRを活用したいというニーズが非常に高い分野です。特にこうした領域では『MREAL S1』の特徴であるポータビリティが生きますから、これから導入が進むでしょう。また、すでに『MREAL』を導入済みのお客さまも、2台目、3台目として導入していただくことで活用シーンが広がります」
新たな使い方にも注目しているという。
「例えばプレゼンテーション。現物がその場にあるかのように感じる『MREAL』は、体験者の理解を深め、意思決定を早めます。『MREAL S1』でポータビリティが上がり、より手軽に多くの方が体験できるようになったことから、お客さまへの提案方法やプレゼンテーションのスタイルを変えていくと感じています」
八木は、より大きなビジョンを描いているという。
「キヤノンITSでは『MREAL』を『xRソリューション』の中核としつつ、必要に応じてVRやARも提供することで、お客さまにとって最適な解決策を提供していきます。DXの進展にともない『MREAL』が活用できる領域はさらに広がり、近い将来『MREAL』がものづくりのインフラの一つとして、あらゆる産業で利用される。そんな環境が実現できると考えています」
「MREAL」が日本のものづくりをアップデートする。「MREAL S1」が示した可能性は、そんな言葉に力強い説得力を持たせるものだ。