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キヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)グループであるキヤノンITソリューションズ(以下、キヤノンITS)は、西東京データセンターを2012年10月に稼働開始し、20年10月には2号棟を新設。金融機関をはじめとする多くの企業からの信頼を獲得している。このデータセンターを今後のITサービス事業の中核と位置付けるその狙いやキヤノンMJグループならではの付加価値、SDGsや地球環境保護に根差した取り組みへの思いを聞いた。

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  • 2022.03.01

Episode.35 「西東京データセンター」

キヤノンITSならではの付加価値を提供

データセンターの価値は、ファシリティの高いスペックだけでは評価できない。西東京データセンターは24時間365日、止められないシステムの安全な稼働環境を守るため、DR(災害復旧)やBCP(業務継続計画)の強化という観点から運営品質の向上に特に力を入れている。

前述した西東京データセンターの立地の優位性や、堅牢なファシリティを最大限に生かしつつ、障害を未然に防ぐ「防災」や、障害の拡大を防いで速やかに復旧を図る「減災」に注力。日々の監視や設備の点検に当たっている。

データセンター設備の障害や自然災害の発生を想定した定期訓練は、顧客への通報・報告を含め年間300件以上実施している。そうした監視や点検、訓練の集大成として毎年1回行っているのが「総合連動点検」だ。

「データセンターが停電状態に陥った際に、UPS(無停電電源装置)や自家発電設備からの給電にスムーズに切り替わり、お客さまのサーバやIT機器が問題なく稼働し続けるかの確認を行います」と中澤誠志。続けて田口が、「金融や外資系などミッションクリティカルな業務を運用しているお客さまからは、万一の緊急事態でもシステムが止まらないことの実証が、契約においても求められており、われわれの使命としてこの『総合連動点検』を行っています」と語る。

こうした日々の運営品質向上の取り組みにより、西東京データセンターは、データセンターの運営品質を客観的に評価するグローバル基準である「M&O認証」を国内2社目として取得している。

西東京データセンターの付加価値として、キヤノンITSならではのシステム構築や運用・保守といったサービスも挙げられる。ハウジングなどのデータセンターサービスでは、通常ラック内に設置しているIT機器の運用は全て顧客側の責任範囲となるが、西東京データセンターでは、これらIT機器をサポートする柔軟な運用サービスを提供しているのだ。

西東京データセンターでオペレーションに携わる中澤 哲が、SEサービスを充実させる背景について説明する。

「キヤノンMJグループのお客さまの中には、ITの専任者がいない企業も少なくありません。そうしたお客さまは、システムの導入・構築から運用、保守までワンストップで任せたいと望んでいます。そのような期待に応え、IT担当者の代わりに課題を解決する、プラスアルファの提案ができることがわれわれの強みです」

特に近年大きな課題となっているのが、悪質化・巧妙化するサイバー攻撃や不正アクセスなどへのセキュリティ対策だ。

従来のファイアウォールやアンチウィルスを中心としたセキュリティ対策だけでは万全とはいえない。さまざまな機器からログを取得してセキュリティ脅威の監視や分析を行うSOC(Security Operation Center)の設置が求められているが、広範囲に及ぶセキュリティの専門知識が必要になるSOCの運用を、全ての企業が自社で行えるわけではない。

キヤノンITSはそうした企業のニーズに応えるため、SOCサービス「UTMセキュリティ運用支援サービス」を21年12月に発表した。データセンターサービス本部の本部長を務める郡田江一郎は、こうした新サービスの展開も踏まえつつ、今後について次のように話す。

「西東京データセンターを利用するお客さまに対してSOCサービスも提供することで、一気通貫なソリューションの提案が可能になりました。データセンター事業は、キヤノンMJグループのITサービス事業における柱となるものです。そのために今後も重点的な投資領域となっています。システム開発やキヤノンITSが提供するクラウドサービス『SOLTAGE』とのシナジーも発揮しながら、より使い勝手が良く、安心・安全を約束する高品質なソリューションを拡充していきます」

* 組織や事業の構成要素の必要性の度合いを表すIT用語の一つ。
業務の遂行に必要不可欠で障害や誤作動などが許されないこと

画像:安心して利用できる万全のセキュリティ環境

安心して利用できる万全のセキュリティ環境
ICカードと生体認証による本人確認、X線手荷物検査、3Dボディスキャナー、ローターゲート、監視カメラ、24時間有人監視室など、万全のセキュリティでお客さまが安心して利用できる環境を提供している。

画像:災害・障害発生を想定した定期訓練を実施

災害・障害発生を想定した定期訓練を実施
防災や減災のため、データセンター設備の障害や自然災害の発生時を想定した訓練を毎週実施。訓練シナリオ総数は300以上に及ぶ。毎年1回行っている大規模な「総合連動点検」では、災害や事故により発生する停電を想定し、電力会社からの給電停止時に発電機給電への切り替えが自動で行われることを確認している。

画像:ワンストップで企業のITシステムを支えるSEサービス

ワンストップで企業のITシステムを支えるSEサービス
西東京データセンターでは、ハウジングやコロケーションといった一般的なデータセンターサービスに加え、キヤノンITSのクラウドサービス「SOLTAGE」や、外部クラウドサービスと組み合わせたマルチクラウド環境などのインフラ基盤、NOC(Network Operation Center)やSOCサービスを提供。システム構築から運用・保守まで、ワンストップで企業のITシステムを支える。

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