カテゴリーを選択

トップ > Cのキセキ Episode.36 「EOS R7」&「EOS R10」 > P4

Cのキセキ

キャンプブームの高まりや旅行需要の回復などが徐々に見え始め、余暇をより楽しむためにレンズ交換式カメラを手に取る人が増えている。そうした市場の変化の中、キヤノンは新たなミラーレスカメラ2機種を発売した。これまで35ミリフルサイズCMOSセンサーを搭載したカメラがラインアップされてきた「EOS R」シリーズに、初めてAPS-CサイズCMOSセンサーを搭載したモデルが加わった。異なる個性を持つ2機種の登場はキヤノンにとってどのような意味を持つのだろうか。

  • Twitter
  • Facebook
  • Cのキセキ
  • 2022.09.01

Episode.36 「EOS R7」&「EOS R10」

動画撮影機能に見る、2機種それぞれの個性

「EOS R7」と「EOS R10」は近年の動画撮影に対するニーズの高まりを受けて高度な動画撮影機能を搭載しているが、それぞれ想定するユーザーや利用シーンは異なると犬飼は説明する。

「『EOS R7』はプロフェッショナルの利用も想定した機能を搭載しています。7Kオーバーサンプリングプロセッシングでの4K収録や、グレーディング(映像加工処理)を前提とした動画収録方式『Canon Log 3』での撮影に対応しています。強力なAFや手ブレ補正機構も利用できますから、普段はシネマカメラを利用しているような方々にも満足していただけると思います」

対して「EOS R10」が重視するのは手軽さや軽快さだ。

「『EOS R10』も6Kオーバーサンプリングプロセッシングでの4K収録に対応していますし、高いAF性能や動画電子ISによる手ブレ補正機構も搭載しています。ただし、こちらは難しい操作を覚えなくても、動画撮影ボタンを押せばすぐにクオリティーの高い動画が撮影できるため、幅広いお客さまに楽しんでいただけると考えています」

どこにでも持って行くことができ、いつでも気軽に使えるカメラながら、上位機種に引けを取らない撮影体験を提供する。これこそが「EOS R10」の本質だ。

*CMOSセンサーからのRGBの信号それぞれから高解像度の画像を生成した後、4Kにリサイズすることで、色再現性とディテール描写に優れ、モアレやジャギーを低減した高画質な動画を記録する機能

画像:多様なニーズと条件で選べる4K動画モード

多様なニーズと条件で選べる4K動画モード
近年は高精度な映像表現が可能な動画撮影機能に対するニーズも高い。「EOS R7」は「4K UHD Fine」「4K UHD※1」「4K UHDクロップ※1」の3種類、「EOS R10」は「4K UHD」「4K UHDクロップ」の2種類の4K動画モードを採用。動画撮影時の被写体検出やトラッキング(追尾)の性能も従来機種より大幅に向上している。「EOS R7」では「ボディー内IS(image stabilization/手ブレ補正機構)」「動画電子IS※2」「レンズ内IS※3」の協調制御※4、「EOS R10」では「動画電子IS」「レンズ内IS」の協調制御※4により、効果的な手ブレ補正も実現している。

  • ※1:
  • 4K UHD(クロップなし)は画像処理により4K(UHD)解像度での出力。4K UHD(クロップなし)と4K UHDクロップではカメラの設定や被写体によって解像感やローリングシャッター歪みが変わる
  • ※2:
  • 動画電子IS使用時は撮影範囲が狭くなる
  • ※3:
  • ダイナミックISを搭載するレンズを装着時は、特に広角側の補正範囲が広がり、動画撮影時の補正効果がプラスされる
  • ※4:
  • 「EOS R7」はボディー内IS協調制御に対応した「RFレンズ」を装着時、「EOS R10」は手ブレ補正機構を持つ「RFレンズ」を装着時

それぞれのユーザーへ最適な販売戦略を立てる

「EOS R7」と「EOS R10」は、ともにAPS-CサイズCMOSセンサーを搭載したカメラとして共通する機能も多いが、性格は大きく異なる。キヤノンMJの和田は、それぞれに異なるマーケティング戦略を立てたと話す。

「これまで多くの支持を得てきた『7』という数字を冠した『EOS R7』については、ハイエンドなAPS-Cサイズカメラを待ち望んできたユーザーに対し、しっかりと機能や性能を伝えていきます」

一方「EOS R10」では別の訴求方法を考えているという。

「『EOS R10』は、エントリー向けである一方で、上級者にも満足いただけるカメラです。カメラに詳しい人、そうでない人、レンズ交換式カメラを使ったことのある人、初めて手にする人。その誰もが自分なりに使えるカメラであることを伝えていきたいと思っています」

そこで注目しているのが「カメラを2番目の趣味にしている人」だと原は話す。

「例えばキャンプや車、バイクといった、今の自分の趣味をより綺麗な写真、よりかっこいい動画で撮影して、YouTubeやTikTokなどのSNSで発信したいと考えている方々に、簡単にクオリティーの高い写真や動画が撮影できる『EOS R10』はピタリとハマります。カメラを手にした人が自分なりの使い方を見つけ出し、趣味の時間をより楽しく過ごす。そんな様子を拡散していくことで、『EOS R10』の世界を広げていきます」

「EOS R7」と「EOS R10」はそれぞれの個性を生かし、新たな撮影体験を提供する。多様性を表現できる「EOS Rシステム」は、これからも映像表現の可能性を強力に切り拓いていくだろう。

画像:新開発「RF-Sレンズ」の登場と「EOS Rシステム」の特長

新開発「RF-Sレンズ」の登場と「EOS Rシステム」の特長
「EOS R7」「EOS R10」の発売に合わせ、新開発のAPS-CサイズCMOSセンサーを搭載したカメラ用「RF-Sレンズ」として、「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」が登場。小型・軽量で高画質・高機能を実現するだけでなく「EOS R」シリーズの35ミリフルサイズカメラにも利用できる。「EOS Rシステム」は「RFレンズ」「RF-Sレンズ」に加え、マウントアダプターによって「EFレンズ」「EF-Sレンズ」の利用も可能なため、レンズとカメラの多様かつ柔軟な活用を実現している。

  • 前のページ

    「EOS R」シリーズ最速の
    高速連続撮影を実現

C-magazine サイト トップページに戻る

PDFで閲覧する場合は、デジタルアーカイブスへ

このページのトップへ