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トップ > Cのキセキ Episode.17 「ネットワークビジュアルソリューション」 > P2
安心・安全を守るツールとして利用が進むネットワークカメラは、さまざまな企業が参入している成長著しい分野だ。そんな注目の市場で存在感を増しているのが、これまでなかった新しいソリューションの未来を描くキヤノンだ。この分野で起きている変化は、社会や生活に何をもたらすのだろうか。
ネットワークカメラが今後どのような役割を果たしていくのか。それを明示する、まったく新しい製品が登場した。「AXIS Q1659」と名付けられたそのカメラは、キヤノンとアクシスコミュニケーションズが共同で開発した最新鋭のネットワークカメラだ。キヤノンMJで「AXIS Q1659」の商品企画に携わった山根 周は、これまでの製品との違いをこう説明する。
「大きな特長は解像度、そして画質です。『AXIS Q1659』はキヤノンのデジタル一眼レフカメラと同じEFマウントを採用しており、現状で広角から望遠まで7種類のレンズを装着できます。また、キヤノンのデジタル一眼レフカメラでも使われている約2000万画素の大型イメージセンサーを採用しているので、従来の製品を圧倒的に上回る高画質かつクオリティーの高い映像を撮影できます」
映像品質の向上はネットワークカメラの在り方を大きく変える。
「あくまで一例ですが、これまでは『黒い大型の車が映っている』までしか分からなかったものが、車種や乗っている人数など、より細かい情報まで分かるようになります。ナンバープレートの数字を読み取る精度も大幅に高められるでしょう。映像品質が高ければ、それだけ質の高い分析ができるわけです。と、説明するのは簡単なのですが、実はこの高解像度を実現するには、アクシスコミュニケーションズの高い技術力が大きな役割を果たしているのです」
日本ではまだ一般的な知名度が高いとはいえないスウェーデンのアクシスコミュニケーションズだが、実はその高い技術によってネットワークカメラの分野で世界トップクラスのシェアを持つ企業だ。日本法人でマーケティングを担当する佐藤秀一氏によると、その強みはネットワークとの高い親和性にあるという。
「当社の事業はパソコン黎明期の1980年代に、大型の汎用コンピューターとパソコン向けプリンターという互換性のない機器を“つなぐ”ところからスタートしました。現在はネットワークカメラを事業の中心に置いていますが、その基礎にあるのはやはり機器同士をいかにスムーズに、安定してつなぐかという点にあります」
「AXIS Q1659」は4Kの解像度を超える巨大なデータを扱うが、それを安定してネットワーク上に流すことができるのは、アクシスコミュニケーションズのネットワーク技術によるところが大きい。
さらに佐藤氏は、これまでなかった高解像度・高画質を実現したことが、カメラが多様な機能を持つ「インテリジェント化」を推し進めると話す。
「最新鋭のネットワークカメラは、スマートフォンのようにカメラそのものにアプリケーションをインストールできるようになっています。アプリケーションを追加することによって、映像の中にいる人を数える、動きを分析するといったことができるようになるのですが、カメラが高解像度・高画質であればあるほどその機能の精度が高くなります。その点でも『AXIS Q1659』は、画期的なカメラだといえます」