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トップ > Cのキセキ Episode.17 「ネットワークビジュアルソリューション」 > プロダクトレポート
安心・安全を守るツールとして利用が進むネットワークカメラは、さまざまな企業が参入している成長著しい分野だ。そんな注目の市場で存在感を増しているのが、これまでなかった新しいソリューションの未来を描くキヤノンだ。この分野で起きている変化は、社会や生活に何をもたらすのだろうか。
2016年9月に登場した「AXIS Q1659」は、高い光学技術で世界中のユーザーから支持を得ているキヤノンと、世界トップクラスのネットワークカメラ企業であるアクシスコミュニケーションズが共同で開発した新しいネットワークカメラだ。その特長はどんな点にあるのだろうか。
「AXIS Q1659」は、キヤノンとアクシスコミュニケーションズが共同で開発した新世代のネットワークカメラ。キヤノンのレンズ交換式カメラ「EOS」シリーズに搭載されるキヤノン製イメージセンサーと画像処理エンジンにより、約2000万画素で8フレーム/秒、4K相当(約800万画素)であれば25フレーム/秒での映像の転送が可能だ。
この「2000万画素」という画素数は、これまでのネットワークカメラの常識を大きく超えるものであり、さまざまな活用の可能性を切り開くカメラだ。
「画素数が多く映像の品質が高いということが、なんといっても最大の特長になると考えています。“これまで見えなかったものが見える”ということだけでも、ネットワークカメラの世界に大きな変化をもたらすはずです」
さらに、高解像度であることが運用の幅にも広がりをもたらすと山根は言葉を続ける。
「例えば、転送するデータ量を軽くしてネットワークへの負荷を軽減するため、普段は画面の中の必要な部分だけを何点かピックアップして転送しつつ、周囲の異変を感知した時だけ全体を記録するといったような柔軟な運用も可能になります」
「AXIS Q1659」のもう一つの大きな特長が、「EOS」シリーズで使われる「EFレンズ」を使用できる点だ。現在は単焦点レンズ5本と広角ズームレンズ、望遠ズームレンズそれぞれ1本の計7本の中から選択して利用できるが、将来的には選べるレンズを増やしていく予定だという。
「ネットワークカメラにおけるレンズ交換のメリットは、やはり用途に合わせて選択・交換ができるという点にあります。広角レンズであれば、大規模な駐車場やスタジアム、駅や空港といった、これまではカバーするのに複数台のカメラが必要だったエリアを1台で撮影できます。一方、望遠レンズを使えば、遠距離からカメラの存在を意識させることなく撮影できるでしょう。景観が重要になる公園や文化財、テーマパークなどで活用できるのではないでしょうか」
「EFレンズ」が使えるということで、写真用の多様なフィルターが利用できる点も、小さいことのように感じるかもしれないが、実はとても重要なポイントだという。
「例えば反射をコントロールするPLフィルターや偏光フィルターを利用すると、色彩のコントラストを高め鮮やかに映したり、不要な反射を除去して水面やガラス面などをクリアに撮影したりといったことも可能です。実際に運用する際には大きなメリットになるでしょう」
撮影された映像は、アクシスコミュニケーションズ独自の「Zipstreamテクノロジー」と呼ばれるネットワーク技術によって、画質の低下を最小限に抑えつつ、一般的な監視カメラと比べて約50%の容量で保存できるという。そのため高画素にもかかわらず、使用するネットワークの帯域やストレージ容量を抑えることが可能だ。
カメラ本体にさまざまなアプリケーションをインストールできる点も大きなメリットだ。
「画像解析用のサーバーを必要とせず、カメラ本体にさまざまなアプリケーションをインストールすることによって機能が追加できるので、活用の幅を広げることが容易なのです」
こういった点を考え合わせると、「AXIS Q1659」は従来にはなかった高解像度と高画質を実現することで、扱いやすく柔軟な対応ができるカメラになったといえる。今後さまざまな場所で利用されていくに違いない。