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歴史が長く、技術的にも市場的にも成熟している印刷業界。そこで「デジタル」による大きなうねりが起きている。そんな変化の時代に「商業印刷」の分野で積極的な取り組みを進めているのがキヤノンだ。その最前線にある注目の施設「CEC Tokyo」と新会社「コマーシャルプリンティングラボ」を訪れ、現状キヤノンがその先に描く未来について聞いた。

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  • 2017.09.01

Episode.18 「プロダクションプリンティングソリューション」

印刷業界の変化とキヤノンの戦略

写真:野﨑健介 キヤノンプロダクションプリンティングシステムズ(株)マーケティング本部の野﨑健介

東京・大田区にあるキヤノン(株)本社の一角に、今春「カスタマーエクスペリエンスセンター東京(以下、CEC Tokyo)」と名付けられた施設がオープンした。ここには、キヤノンがグループを挙げて力を入れている「デジタル印刷」分野の最新機種が、ズラリと並んでいる。

キヤノンは2006年にプロダクションプリンター「imagePRESS C7000VP」で市場に参入して以来、次々と製品を投入。09年には欧州を中心に大きなシェアを持つオランダのオセ社をグループに迎え入れるなど、体制を強化してきた。「CEC Tokyo」の設立もその流れに沿ったものだといえる。

「印刷」といえば、インターネットの普及やコンテンツのデジタル化の波に押されて縮小傾向にあるといわれる業界。キヤノンはなぜそこに力を注ぐのか。大小さまざまな製品ラインアップを中心に幅広いプロダクションプリンティングソリューションを提供するキヤノンMJグループにあって、「商業印刷」と位置付けられる分野を担当するキヤノンプロダクションプリンティングシステムズで、「CEC Tokyo」の管理・運営を担当する野﨑健介がその問いに答える。

「確かに業界全体として縮小傾向にあるのは事実で、総印刷部数、印刷事業所数、共に減っています。ですが、『デジタル印刷』を活用することで、印刷物にこれまでにない付加価値を与えることができます。中でもパンフレットやダイレクトメールなどを扱う『商業印刷』や、商品パッケージや梱包用の段ボール、壁紙などの建材を対象にした『産業印刷』は新たな市場が生まれると予想されており、キヤノンもこうした分野への取り組みを進めています」

隠れた成長分野である商業印刷。では、その成長を促す起爆剤は何か。野﨑は「デジタル印刷機」がその鍵になると指摘する。

写真:オセ社

オセ社について
オランダ・フェンローに本社を置くオセは、文書/産業用印刷システムや高速大判デジタルプリントシステムの開発、製造、販売を行う企業。設立から130年以上の伝統を持ち、売り上げの約4割を占める米国を筆頭に、ドイツ、イギリス、フランス、オランダなど世界で100カ国以上の国や地域で事業を展開。優良企業を主要顧客として成長を続け、特に業務用大判プリンターでは欧米で高いシェアを獲得している。「VarioPrint」「ColorStream」「ImageStream」などのシリーズを展開し、販売力のみならず、高い技術力と研究開発力を持つ会社としても知られている。2009年にキヤノンがグループに迎え入れた。

プロダクションプリンティングソリューション

写真:プロダクションプリンティングソリューション

キヤノンは、印刷業、製本業などの印刷事業者に向け、印刷機や後加工機などのハードウエアを中心に、業務効率改善や提案力向上を実現する「プロダクションプリンティングソリューション」を提供。さらに、新世代のデジタル印刷機の登場で可能となった、高品位なバリアブル印刷やオンデマンド印刷などを活用した新事業の構築にも力を入れている。今年4月に東京・大田区のキヤノン(株)本社敷地内にオープンした「カスタマーエクスペリエンスセンター東京」は、そうしたキヤノンが提供する最新のソリューションを実際に体験できる施設として大きな注目を集めている。

プロダクションプリンター 製品情報

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