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キヤノンが「想像を超える高画質」を実現し、映像表現の新しい可能性と価値を提供するため、「EOS Rシステム」を世に送り出してから約1年。多くのユーザーにこれまでにない撮影体験をもたらす新しいイメージングシステムとして迎えられた。この新システムの中核として開発された「RFレンズ」に携わる担当者たちは、いかにして大きな革新を起こしてきたのだろうか。

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  • 2019.12.01

Episode.27 「RFレンズ」

「RFレンズ」だからこそ実現できた世界

これまで発売された「RFレンズ」は、どれも「EOS Rシステム」だからこそ実現できたものばかりだという。

「最初に発表した4本のレンズは、『EOS Rシステム』の世界を体験してもらえることを基準に選びました。『RF28-70mm F2 L USM』は、ズーム全域でF値2を実現した従来にはないレンズです。技術的には『EFレンズ』でも可能ですが、実際には巨大になり製品化は難しいでしょう。近接撮影もできる広角レンズの『RF35mm F1.8 MACRO IS STM』も、従来にはないスペックです。一番後ろに大きなレンズが配置されているのですが、この構成はショートバックフォーカスだからこそ実現できました。『RF50mm F1.2 L USM』は、焦点距離と絞り値だけ見れば『EFレンズ』にもありますが、撮影した写真を見るとボケの美しさや四隅までの高い解像力など違いは歴然です。『RF24-105mm F4 L IS USM』は、『EOS R』と組み合わせると軽量・コンパクトなことに驚くでしょう」

今年ラインアップに加わった6本も、「EOS Rシステム」の世界が体験できるラインアップだという。

「高倍率ズームレンズの『RF24-240mm F4-6.3 IS USM』は、『RFレンズ』だからこそ、この価格、機能、画質のバランスが実現できました。『RF85mm F1.2 L USM』も、『RF50mm F1.2 L USM』と同様にボケの美しさや解像力は『EFレンズ』とは別次元です。発売予定の『RF85mm F1.2 L USM DS』では、新たなボケの表現にも挑んでいます。レンズラインアップでは定番の『RF15-35mm F2.8 L IS USM』『RF24-70mm F2.8 L IS USM』『RF70-200mm F2.8 L IS USM』も、サイズや重量、最短撮影距離、手ブレ補正機構の搭載など、『EFレンズ』から進化しています。中でも『RF15-35mm F2.8 L IS USM』は、広角側が1ミリ広くなり、より遠近感を強調したダイナミックな写真表現が可能になりました。ショートバックフォーカスでなければ、実用的なサイズで高画質を維持したまま広げることは困難でした」

  • 写真:従来は製品化不可能だった開放F値2の「RF28-70mm F2 L USM」

    従来は製品化不可能だった開放F値2の「RF28-70mm F2 L USM」

    ズーム全域で開放F値2を実現した大口径ズームレンズ。画面中心部から周辺部まで優れた解像力を誇る。大口径マウントとショートバックフォーカスという特徴を持つ「RFマウント」を採用した「EOS Rシステム」でなければ、このサイズで製品化することは不可能だったという。実際に利用したユーザーからは、「28mm、35mm、50mm、70mmなど複数の単焦点レンズを1本にしてしまったような驚異的なレンズ」との声が上がっている。
  • 写真:小型・軽量、高倍率ズームレンズ「RF24-240mm F4-6.3 IS USM」

    小型・軽量、高倍率ズームレンズ「RF24-240mm F4-6.3 IS USM」

    焦点距離24mmから240mmまでを1本でカバーする高倍率ズームレンズ。優れた描写性能に加え、高倍率ズームレンズでありながら、コンパクトかつ軽量を追求した設計により、さまざまなシーンで活用できることが特徴だ。
     
画像:美しいボケ味とシャープな描写を両立した大口径・単焦点レンズ

美しいボケ味とシャープな描写を両立した大口径・単焦点レンズ
大口径マウントと最新の光学設計により、各種収差を補正し、開放F値1.2から美しいボケ味とシャープな描写を両立した大口径・単焦点レンズ。標準レンズの「RF50mm F1.2 L USM」に加え、ボケの描写が異なる中望遠レンズの「RF85mm F1.2 L USM」「RF85mm F1.2 L USM DS」(12月下旬発売予定)の2本をラインアップしている。

画像:システムとしての小型・軽量化を実現した「RF24-105mm F4 L IS USM」

システムとしての小型・軽量化を実現した「RF24-105mm F4 L IS USM」
「RF24-105mm F4 L IS USM」と「EF24-105mm F4L IS II USM」は、焦点距離と開放F値は同じ24-105mm、F4だが、「RF24-105mm F4 L IS USM」の方が10.7mm短く、約95g軽くなっている。「EFマウント」を採用する「EOS 5D Mark IV」、「RFマウント」を採用する「EOS R」を組み合わせて比較すると、システム全体の小型化、軽量化が図られている。

画像:ミラーレス構造だから実現できたレンズ配置の「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」

ミラーレス構造だから実現できたレンズ配置の「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」
同じ35mmという焦点距離のレンズでも「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」と「EF35mm F2 IS USM」ではレンズ構成が大きく異なる。「EFレンズ」ではミラー機構を避けるために前側に大きなレンズを配置しているのに対し、「RFレンズ」では後側に大きなレンズを配置している。これによって「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」は、最短撮影距離の短縮(0.24mから0.17m)、最大撮影倍率の向上(0.24倍から0.5倍)を実現しながら、重量も軽くしている(約335gから約305g)。

画像:光学設計を一新して手ブレ補正機能を搭載した開放F値2.8のズームレンズ

光学設計を一新して手ブレ補正機能を搭載した開放F値2.8のズームレンズ
写真愛好家が「大三元」と呼ぶ、レンズラインアップの中では定番の常用ズームレンズが「RF15-35mm F2.8 L IS USM」「RF24-70mm F2.8 L IS USM」「RF70-200mm F2.8 L IS USM」。光学設計を一新して3本全てに手ブレ補正機構とナノUSMを搭載した。「RF15-35mm F2.8 L IS USM」は「EFレンズ」では16mmだった広角端を15mmまで広げた。

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