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トップ > Cのキセキ Episode.29 「EOS-1D X Mark Ⅲ」 > P1
ミラーレスカメラに注目が集まる中、4年ぶりにモデルチェンジした一眼レフカメラ「EOS-1D X Mark Ⅲ」が大きな反響を呼んでいる。その理由は、単純に機能の進化にだけあるのではない。キヤノンのフラッグシップモデルにプロが絶大な信頼を寄せている理由を、フォトグラファーの声から読み解く。
デジタルカメラ市場の苦境が続く中、高い注目を集めているカメラがある。今年2月に発売された一眼レフカメラ「EOS-1D X Mark Ⅲ」だ。
キヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)で、デジタルカメラの商品企画とマーケティングを担当する和田康一はこう話す。
「ミラーレスカメラに注目が集まりがちですが、スポーツや報道、野生動物など、動きを予測するのが難しい被写体を撮影するプロやハイアマチュアのフォトグラファーは、遅延なく被写体を捉えられる光学ファインダーを備えた一眼レフカメラを選ぶ方も多い。そうしたニーズに応えられる『EOS-1D X Mark Ⅲ』を待ち望んでいるファンは多いだろうとは考えていました」
しかし、今年1月に予約が開始されると、予想を超える数の注文が舞い込んだという。
「正直なところ少し驚きました。フィルムカメラ時代から続く『EOS-1』シリーズは、多くのプロや写真愛好家に支持され、信頼を得ているカメラなのだとあらためて認識しました」
さらに、「EOS-1D X Mark Ⅲ」は革新的な機能を搭載していることも、注目を集めた理由だと話す。
「前モデルの発売から4年がたっていますが、『EOS-1D X Mark Ⅲ』はその間の技術的な進化を全て詰め込み、一眼レフカメラとして究極の静止画性能、動画性能を目指したカメラです。新たに開発されたCMOSセンサーと映像エンジンの『DIGIC X』の組み合わせによって、大幅な画質向上を実現しています。さらに、オートフォーカス(AF)やライブビュー撮影での最高約20コマ/秒の撮影連写性能、5.5K RAW*動画や4K 60p動画に対応した動画撮影機能、ネットワーク機能など、全方位での進化を果たしています」
キヤノンMJでプロ向けカメラの商品企画を担当する津幡圭佑は、ミラーレスカメラの登場が一眼レフカメラの進化も後押ししたと話す。
「ミラーレスカメラの普及で、一眼レフカメラの未来を心配していた方もいるかもしれません。しかし『EOS-1D X Mark Ⅲ』に搭載された機能の中には、ライブビュー撮影でのAF速度や動画撮影機能など、ミラーレスカメラが進化したからこそ大幅な性能向上が可能になったものがあります。一方で、AF方式がミラーレスカメラとは異なる、一眼レフカメラならではの強みも追求しています。新開発の『High-res AFセンサー』や『RGB+IR測光センサー』の搭載により、AFの精度、被写体の検出、追尾といった性能も飛躍的な進化を果たしています。こうした部分が高く評価されているのを感じています」
*撮像素子の出力をそのまま記録した画像データ形式のことで、カメラ内で変換されるJPEG形式などに比べて情報量が多く高品位な画像編集が可能。
最高約16コマ/秒の高速ドライブと高い耐久性・信頼性の両立を実現
CMOSセンサーや映像エンジン、カード書き込みに至る内部処理、ミラー駆動システム、駆動シーケンスといった機能を刷新することで、最高約16コマ/秒(ライブビュー撮影時は最高約20コマ/秒)の高速連続撮影を実現。新ミラー駆動システムは、シャッターユニットを組み込んだ状態で従来よりも厳しい50万回の作動試験をクリアしている。高い剛性と軽量化を両立したマグネシウム合金製ボディーには多様な撮影環境に配慮して、シーリング材、シリコーンゴムブーツ、Oリングなどを配置した防塵・防滴構造を採用している。
新開発のAFセンサー採用で被写体検出、合焦精度、追尾性能が向上
「EOS-1D X Mark Ⅲ」は、新開発の「High-res AFセンサー」搭載によって被写体の捕捉力と合焦精度が向上している。輝度や色、形などの情報から被写体認識と自動追尾を行う「EOS iTR※AF」にも新開発の「RGB+IR測光センサー」を採用したことで、被写体検出・追尾性能が向上している。ライブビュー撮影では瞳を検知してピントを合わせる「瞳AF」も可能になっている。
※iTR:intelligent Tracking and Recognition
キヤノンが最先端技術を注ぎ込んだフラッグシップ・デジタル一眼レフカメラ。新たに開発された有効画素数約2010万画素の35mmフルサイズCMOSセンサーと映像エンジン「DIGIC X」を搭載することで高精細、低ノイズ、リアリティを追求すると同時に光学ファインダー撮影時には最高約16コマ/秒(ライブビュー時最高約20コマ/秒)の高速連写を実現。これまでのカメラの常識を超える、高い性能を実現したカメラだ。