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ミラーレスカメラに注目が集まる中、4年ぶりにモデルチェンジした一眼レフカメラ「EOS-1D X Mark Ⅲ」が大きな反響を呼んでいる。その理由は、単純に機能の進化にだけあるのではない。キヤノンのフラッグシップモデルにプロが絶大な信頼を寄せている理由を、フォトグラファーの声から読み解く。

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  • 2020.06.24

Episode.29 「EOS-1D X Mark Ⅲ」

あえて変えないこともプロの道具には必要

技術者に届けられた数々の声は、"変わったところ"だけに反映されているわけではない。"変わっていないところ"にも、プロの声は生かされていると水谷さんは感じると話す。

「新しいカメラが登場すると、新機能やスペックの進化が話題になります。もちろん、プロもそれらには大いに期待しますが、それより大事なことがあります。それは"あの設定はどうするんだっけ"と迷わない安心感です」

一瞬を切り取るチャンスは、一度逃したら二度と訪れることはない。プロとしてまず求めるのは、かげろうが立ち上る灼熱のサーキットでも吹雪の中でも、残すべき瞬間に確実にシャッターが切れて、その一瞬を記録できること。だから信頼できない道具を使うことは決してない。

「手に取った瞬間から必要な操作や設定ができ、間違いなく動作する。そういう信頼感を持てるかどうかは、プロの道具として重要な性能の一つ。そのために"変えないこと"も大切にしている。それが、『EOS-1D X Mark Ⅲ』を手に持つとよく分かります」

「EOS-1D X Mark Ⅲ」にいくつもある、あえて変えない部分の一例が、新たに搭載された「スマートコントローラー」だ。従来は「マルチコントローラー」で行っていたAF測距点の移動を「AFスタートボタン」で可能にした新機能だが、「EOS-1D X Mark Ⅲ」には「マルチコントローラー」も搭載されている。

その理由について和田が説明する。

「『スマートコントローラー』は、『AFスタートボタン』から一瞬でも指を離したくないというプロフォトグラファーの声を反映した機能です。同じ機能を持つ『マルチコントローラー』も搭載しているのは、一見無駄に見えますが、外してしまったら操作性が変わることで戸惑わせてしまう。それは許されません」

水谷さんも、この判断を支持する。

「革新的な新機能を取り入れながら、プロが使う道具として大事なところも外さない。素晴らしいと思います」

革新的な新機能と、"変わらないこと"のバランス。それこそが「EOS-1D X Mark Ⅲ」のすごみなのだ。

「これほど迷うことなく思うがままに撮影できるカメラは、『EOS-1D X』シリーズ以外にありません。すぐに手に馴染んで、何の不安もなく現場に持っていける。実はカメラ初心者に一番薦めたい。『EOS-1D X Mark Ⅲ』はそんなカメラです」

これこそ、プロフォトグラファーが口にするカメラに対する最高の褒め言葉だろう。

画像:「スマートコントローラー」と「ボタン照明」が操作性を向上

「スマートコントローラー」と「ボタン照明」が操作性を向上
操作性を向上させる機能も搭載された。ファインダーから眼を離して操作する頻度が高いボタンにバックライトを搭載した「ボタン照明」は、暗いシーンでの撮影をアシストする。「スマートコントローラー」は「AFスタートボタン」に光学センサーを組み込み、ボタントップに指で触れてスライド操作を行うと測距点が移動する。測距点の選択からピント合わせまでを一つのボタンでシームレスに行える。

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