カテゴリーを選択

トップ > Cのキセキ Episode.30 「EOS R5」 > P4

Cのキセキ

「撮影領域の拡大」のためにチャレンジし続けてきたキヤノンのデジタル一眼レフカメラ「EOS 5D」シリーズ。2020年7月、時代を切り拓いてきた「5」という数字を冠した、フルサイズミラーレスカメラ「EOS R5」が登場。「5」という数字に込められた想いを探った。

  • Twitter
  • Facebook
  • Cのキセキ
  • 2020.12.01

Episode.30 「EOS R5」

「5」という伝統と「R」という未来

そうして完成した「EOS R5」はどんなカメラになったのか。松島は説明する。

「これまでの『EOS 5D』シリーズを継承する、撮りたいと感じた瞬間に、イメージ通りに、快適に撮影できるカメラでしょうか。こう話すとコンサバティブなイメージになるかもしれませんが、その実現には、最高の機能を搭載し、徹底的に使いやすさを練り込むためのチャレンジも必要です。そうした意味では、『EOS 5D』シリーズはチャレンジし続けたカメラでもある。新しいカメラが『EOS R5』と名乗るのであれば、ユーザーの期待に応えるだけでなく、ミラーレスカメラだからこそできることにチャレンジするのは必然でした」

そのチャレンジを可能にしたのが、キヤノンが"これからの30年"という未来を見据えて開発し、キヤノン初のフルサイズミラーレスカメラ「EOS R」とともに登場した「EOS Rシステム」だ。

電子シャッターでの最高約20コマ/秒の高速連続撮影、画像本来の解像力を光学補正により復元するデジタルレンズオプティマイザ、「デュアルピクセルCMOS AF Ⅱ」で可能になった高速かつ高精度なAF性能、レンズ内光学式手ブレ補正機構と協調して8.0段分の手ブレ補正効果を発揮するボディー内5軸手ブレ補正機構。「EOS R5」がチャレンジの末に獲得した機能や性能の多くは、「EOS Rシステム」だからこそ実現したものだと松島は話す。

「操作性についても、ミラーレス時代に対応した操作性を実現するため、『EOS 5D』シリーズで積み重ねてきたものを継承しながらチャレンジしました。例えば電子ダイヤル。『EOS R5』では『EOS 5D』シリーズの二つから三つに増えています。これによって絞り、シャッタースピード、ISO感度を別々の電子ダイヤルで操作できるようになりました。細かいところでは、マルチコントローラーもAFポイントが大幅に増えた『EOS R5』に合わせてクリック感を変えています」

小林はこうした特徴をユーザーへ的確に伝えるために、6本の柱にまとめ、キヤノンMJをはじめとする各地域の販売会社とコミュニケーションを重ねたという。

「1本目の柱はカメラにとって欠かせない『高速・高画質』。2本目の柱がそれを支える『AFの進化』です。3本目が『手ブレ補正機能』、4本目は8K撮影も可能になった『動画撮影機能』、5本目は『操作性・信頼性』、そして6本目は『通信機能』です。どれも『EOS R5』にとって欠かせない要素ですが、中でも『操作性』については、実際に『EOS R5』に触れていただくことが難しい状況の中でどう伝えればよいのか悩みました。カメラは機能的な性能だけでなく、手に取って操作したときの『感覚性能』も大切です。『EOS R5』を多くの方に手に取ってもらいたい。そうすれば、『やっぱりキヤノン。やっぱり5』だと思っていただけるはずですから」

キヤノンMJの吉澤も、同様にもどかしい思いをしていると話す。

「イベントの開催が難しいこともあって、実際に触れていただく機会をなかなかつくれないのが残念です。やはりカメラは実際に手に取って使っていただくものですから。『EOS R5』を手にしていただければ、『5であることが、すべて。』に込めた意味を実感していただけるはずです」

ユーザーが「EOS R5」を手にしたとき、キヤノンが「EOS 5D」シリーズで紡いできた「5」という数字の歴史に、新たな1ページが書き加えられることになる。

*Yaw/Pitch方向、CIPA規格準拠。RF24-105mm F4 L IS USM、f=105mm時。

画像:「EOS 5D」シリーズなどの操作系を継承・進化

「EOS 5D」シリーズなどの操作系を継承・進化
「EOS」の上位機種の操作系を採用したことで、慣れ親しんだ操作で快適な撮影が行える。3つの電子ダイヤルやボタンにさまざまな機能を割り当てることで、ユーザーの使い勝手に合わせたカスタマイズが可能。AFフレームの選択やボタンカスタマイズに使用可能なマルチコントローラーは、右手でカメラを握り、ファインダーやモニターから目線を外すことなく、親指でスムーズに操作できる。

画像:「協調制御」で最高8.0段の手ブレ補正効果を実現

「協調制御」で最高8.0段の手ブレ補正効果を実現
「EOS」シリーズ初のボディー内5軸手ブレ補正機構(Inbody Image Stabilizer:IBIS)を搭載。レンズ内光学式手ブレ補正(Optical Image Stabilizer:OIS)機構との協調制御によって、RFレンズ使用時8.0段の補正効果を発揮。動画撮影時には、ボディー内手ブレ補正に加え、動画電子ISも併用可能で、不安定な体勢や歩き撮りなど、ブレが出やすいシーンでも快適に撮影できる。
※ 2020年7月時点、RF600mm F11 IS STM/RF800mm F11 IS STMは非対応です。EOS R5より前に発売されたレンズで協調補正を行うには、レンズのファームアップが必要な場合があります。

画像:8K/30P動画撮影にも対応した高性能・高品位の動画撮影機能

8K/30P動画撮影にも対応した高性能・高品位の動画撮影機能
新開発CMOSセンサーと先進の映像エンジン「DIGIC X」により、世界初の8K/30P動画撮影を実現したほか、4K/120P記録や8Kでのタイムラプス動画の撮影、8Kフレーム切り出し、RAWとMP4動画同時記録にも対応。より高い編集耐性のあるRAW動画12bit、簡単なグレーディングで最終画質が得られるCanon Log 10bitなど、用途や編集方法に合わせた記録画質も選択できる。「デュアルピクセルCMOS AF Ⅱ」により、8つのAF方式で動きに合わせて高精度にピントを合わせ続けることも可能になっている。

画像:画像本来の解像力への復元をカメラ内で実現

画像本来の解像力への復元をカメラ内で実現
画像本来の解像力を、光学補正により復元するデジタルレンズオプティマイザ用のデータをRFレンズ側でも保持し、大容量・高速通信によってそのデータを瞬時にカメラ側に伝達することで、後処理ではなく撮影しながらカメラ内で処理が実行可能。[標準]に加え[強め]が選択できるようになった。さらに、撮影時に色収差補正や周辺光量補正、歪曲収差の補正の4つの補正が可能になっている。

  • 前のページ

    「やっぱりキヤノン。やっぱり5(ファイブ)」が合言葉

C-magazine サイト トップページに戻る

PDFで閲覧する場合は、デジタルアーカイブスへ

このページのトップへ