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トップ > Cのキセキ Episode.31 「数理技術」 > P4
キヤノンマーケティングジャパングループにおける「数理技術」への取り組みは、長い歴史を持つ。モバイル、IoTが普及し、かつてないほど大量、かつ多様なデータを活用できる環境が整った現在、改めて注目される「数理技術」の可能性を展望する。
「数理技術」を活用することで、企業は既存の業務に潜在しているさまざまな無駄を省いて効率化し、SDGsの精神に沿って社会に貢献しながら持続的成長の礎を築くことができる。その意味で「数理技術」の活用は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の出発点になるといっても過言ではない。
ただし、「数理技術」はあくまでも手段・手法であり、この技術を活用すること自体が企業にとっての目的とはならない。数理技術部門ではこの点を常に念頭において、顧客への提案やサポートを行っていると今井は話す。
「私たちが活動の大前提としているのは、お客さまに寄り添って課題を解決することです。したがってお客さまが『数理技術』について、理論やアルゴリズムなどを理解する必要は全くありません。お客さまがどんなことに悩んでいるのか、お困り事の内容とそれをどのように改善したいのかを教えていただくだけでかまいません。私たちはあらゆる問題を『数理技術』ありきで解決しようとしているわけではなく、最新の技術や手法の活用に対するこだわりもありません」
例えば、AIのような最新の技術を活用しなくても、むしろ従来のルールを人が登録するルールベースを利用した方がシンプルに課題を解決できる場面もたくさんあるという。
「何より肝心なのは、どうすればお客さまの業務を効率化してコストを削減したり、働き方を変えたり、売り上げを伸ばしたりできるのかということです。私たちはお客さまと一緒になって、目標を達成するための最適な解決策を探っていきます」
実際、この姿勢が高く評価され、「数理技術」を活用したソリューションは多くの顧客から信頼を獲得しているのだ。キヤノンITSのソリューション推進部で「FOREMAST」のマーケティングやイベント企画に携わっている松井秀司は、このように語る。
「個人的にうれしかったのは、『FOREMAST』を導入いただいたアルビオン様から、導入、実装から稼働後のサポートを含めた対応に感謝されたことです。アルビオン様の需要予測グループとキヤノンITSが密接に連携し、両者一体となってプロジェクトを進めたことで、ニーズを具現化できたことを高く評価していただきました。こうした成功プロジェクトを一つひとつ積み重ねながら、より多くのお客さまからの『数理技術』の認知度を高めていきたいと考えています」
さらに熊本が、このように補足する。
「コロナ禍を機にビジネスの在り方も非対面が中心になるなど、世の中は大きく変わろうとしています。そうした中でますます重要となるのが、データ活用に軸足をおいて変革を進めていく、お客さまとの共創に他なりません」
ニューノーマルの時代に向けてお客さまと共に歩みつつ、キヤノンMJグループとして、今後も「数理技術」の新たな可能性を模索し続けていく考えだ。
アルビオンの需要予測と生産・在庫計画業務の流れ
高級化粧品メーカーとして知られるアルビオンは、品切れの防止、在庫の適正化のために需要予測に基づいて生産・在庫計画を立案し、生産指示を行っている。従来の需要予測システムはBIツールを併用した分析スキルが必須とされるため、使いこなせる人材は少数に限られて負荷が集中しており、育成にも長時間を要するという課題を抱えていた。その解決のために「FOREMAST」を導入。周辺システムからそのままデータを取り込み、「数理技術」に基づいた需要予測から計画立案、生産指示、生産状況の確認まで一気に実行可能になった。予測精度を向上しつつ業務負荷を軽減し、精緻な生産・在庫計画を実現した。
https://www.albion.co.jp/
設立:1956年3月2日
1956年創業の高級化粧品メーカー。先進の技術と独自成分の開発にこだわり、他社にはまねのできない研究開発を推進し、お客さまの安心と信頼を第一に、価値ある商品づくりを目指している。