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デジタルイノベーションによって、産業や社会、働き方や暮らし方までもが大きく変わろうとしている。そのような中、キヤノンは、時代の要請やビジネス環境の変化に適応し、生まれ変わったキヤノンの姿、そしてこれからも変化し続ける姿を示すため、8年ぶりに「Canon EXPO 2023」を開催。キヤノンの技術が描く新たな社会の可能性を紹介した本イベントの模様をお伝えする。
「Future Focused. Always. ～未来の可能性を、ひろげ続けよう～」をスローガンに、8年ぶりに「Canon EXPO 2023」を開催。
多くのお客さまに向けて行われた、キヤノン株式会社 代表取締役会長兼社長 CEO 御手洗冨士夫による基調講演を、サマリーの形でお届けする。
キヤノン株式会社「Canon EXPO」は、新製品や将来技術を展示し、キヤノングループの目指す方向性を示す場として定期的に開催しており、前回は2015年でした。本来ならば2020年に行う予定でしたが、パンデミックのため3年遅れの開催となります。
振り返りますと、2020年から今日までは世界が大きく転換した3年間でもありました。そして2023年は、日本経済にとっても大きな転換の年であるといえます。それは日本が「失われた30年」ともいわれる停滞から、ようやく脱却しつつあるということです。このような世界の大転換の年に、生まれ変わったキヤノンの姿を皆さまにお見せすることができる。それは大変意義深いことだと考えています。
キヤノンは86年前の創業以来、最先端の技術を取り入れて新しい製品をつくり、社会に新たな価値を提供しながら成長を遂げてきました。先端技術の活用はキヤノンにとっての生命線といえるでしょう。
近年も革命的な技術が次々に登場しており、特にAIは、今後多くの新たなビジネスを生み出す可能性があります。このAIの爆発的な進化を支える基盤となるのは、良質かつ膨大な「データ」です。キヤノンが最も得意とする画像、映像は、まさにビッグデータそのものといえます。
私たちは長い時間をかけて、莫大な情報量を持つイメージングの技術を極めてきました。キヤノンは、ビッグデータを価値化し、社会に実装するためのものづくり企業であるともいえます。
これまではカメラやプリンターの会社といわれてきましたが、私たちはデジタル時代に対応して自らの姿を変えてきました。例えばAIの加速度的な進化を見据え、M&Aによって新たな事業を獲得し、事業ポートフォリオの大幅な入れ替えを実行。プリンティング、イメージング、メディカル、インダストリアルの4つのビジネスユニットへと再編成を進めています。
創業以来培ってきたイメージング技術を軸に、今後もテクノロジーとイノベーションによって新たな価値を生み出し、複雑化・多様化する社会課題の解決に幅広く貢献したいと考えています。
未来は、単に予測するものではなく、自ら創っていくものでもあります。皆さまの持つ知見や技術と、キヤノンの持つ独自技術とを掛け合わせて、誰も見たことのない新しい未来を共に創っていきたいと考えています。次世代の事業の柱を構築すべく、オープンイノベーションの環境を整え、今までにない規模で展開していきます。
キヤノンは1988年、企業理念として「共生」を掲げました。そこには、すべての人々が文化や習慣などあらゆる違いを超えて、幸せに暮らせる社会を構築し、かけがえのない地球環境を子どもたちに引き継ぐという思いが込められています。
社会の中で生きる企業にとって、社会とともに変わり続けることは必然です。変化は進化、変身は前進だといえるでしょう。ただし、企業において現状を変えることにはリスクが伴います。私自身、長らく企業人として活動してきましたが、「このリスクを取るべきか、否か」と常に悩み続けてきました。経営は難しい判断の繰り返しです。熟慮断行の精神で、勇気を持ってひるむことなく決断を下し、社会の変化に先んじて前に進まなければ、新しい未来を切り拓くことはできません。
時代のニーズに応え、社会課題の解決に技術で貢献していくために、今後もキヤノンは時代の先端分野に常に携わっている企業であり続けたいと思います。
約4000人の聴講者を前に、「Canon EXPO 2023」を開催する意義、社会に提供する価値などについて講演
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