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トップ > 特集 特別対談「勝てる組織」佐々木則夫さん×坂田正弘 > P1
女子サッカーの代表チームを率いてチームを「勝てる組織」に育て上げた佐々木則夫さん。
体格やパワーで劣る日本人女性がなぜ世界に伍して戦うことができるのか。そして、そこで監督やリーダーが果たしている役割とは──。
名将・佐々木監督と、キヤノンマーケティングジャパン代表取締役社長坂田正弘が、「強い組織」のあり方をめぐって熱く語り合った。
坂田
佐々木さんが女子サッカー代表チームの監督としてスタートされたのは2008年でしたね。
佐々木
ええ。その前に2年間コーチを務めましたので、チームに関わって今年で11年目になります。
坂田
監督に就任してから、チームを強化するためにまずどんなことに取り組まれたのですか。
佐々木
最初に取り組んだのは、自分たちの強いところと弱いところをしっかり見定めることでしたね。その上で、どういうサッカーが自分たちに合っているのかを徹底的に話し合いました。さらに、選手とスタッフとが一体になることを目指しました。その方向性が正しいと思えたのは、08年の東アジア女子サッカー選手権で優勝した時です。それ以来、チームの基本的な方向性はぶれていません。
坂田
その後、北京オリンピックでもベスト4に入るという偉業を達成しました。佐々木さんは、チームを強くするために監督に求められるのはどのようなことだと思われますか。
佐々木
個々の選手を掌握する力、チーム全体をマネジメントする力、そしてサッカーという競技に関する専門性。その3つだと思っています。そのうちどれか一つが欠けただけでもチーム運営は難しくなります。もちろん、それは監督の力だけでできることではないので、スタッフと力を合わせて取り組むことが重要になります。