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トップ > 特集 特別対談「勝てる組織」佐々木則夫さん×坂田正弘 > P5
女子サッカーの代表チームを率いてチームを「勝てる組織」に育て上げた佐々木則夫さん。
体格やパワーで劣る日本人女性がなぜ世界に伍して戦うことができるのか。そして、そこで監督やリーダーが果たしている役割とは──。
名将・佐々木監督と、キヤノンマーケティングジャパン代表取締役社長坂田正弘が、「強い組織」のあり方をめぐって熱く語り合った。
坂田
日本の女子スポーツは、この10年ほどでかなり底上げされたと感じます。
佐々木
日本のスポーツ界では、長い間男子スポーツに投資が集中していましたが、徐々に女子スポーツへの投資も増えてきて、以前とは比べものにならないくらい環境が整備されてきています。
それに伴って、女子選手も結果を出せるようになりました。何より、女子選手が自信を持てるようになったことが大きいと思うんです。
女子スポーツの指導者であるわれわれも、選手がより自信を持てるようにサポートしていかなければなりません。それによってさらなる努力が生まれ、それを見ている人たちももっと応援してくれるようになる。そんないい循環を作っていきたいですね。
坂田
女性の活躍を後押しするというのは、まさに私たちにとっても大きな課題です。現在、結婚や出産などをきっかけにキャリアアップのチャンスを残念ながら失ってしまうケースがまだあるのが現状です。
女性が会社の中で生き生きと活躍できる文化や仕組みを作っていかなければならないと感じています。
佐々木
女子代表の中にも以前、ベビーシッターに子どもを預けながらチームに参加している選手がいました。スポーツだけではなく、社会全体でそういうチャンスをもっと増やしていかなければなりませんよね。
女性が活躍できる可能性はまだまだあるはずですから。
坂田
最後に、佐々木さんのこれからの目標をお聞かせください。
佐々木
現在のチームをさらに強くすることが当面の目標ですが、長期的には、日本女子サッカーの裾野をもっと広げていきたいと思っています。
以前、女子サッカーの選手数は日本全体で3万5000人くらいだったのですが、現在は4万5000人まで増えています。
しかし、ドイツでは20万人、アメリカでは160万人もの女性がサッカーをやっています。日本女子サッカーの母数は圧倒的に少ないのですが、それでも世界と戦えているわけです。
母数が増えれば、ますます強くなるに違いありません。女子サッカーに関わる立場として、このスポーツをさらに広めることに寄与したい。そして自分を育ててくれたサッカーに恩返しをしたい。それが私の目標です。
坂田
ぜひこれからも、日本のスポーツ界を盛り上げていってください。