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トップ > 特集 特別対談「創像する力」弘兼憲史さん×坂田正弘 > P1
会社員生活を経て漫画家デビューし、40年以上第一線で活躍する弘兼憲史さん。代表作の『島耕作』シリーズは昨年、連載開始から35周年を迎えた。長年にわたり世の中に支持され続ける作品の裏には、どんな秘密があるのか。また、形のないモノ(像)を創出する上で大切な要素は何なのか。キヤノンマーケティングジャパン代表取締役社長 坂田正弘と熱く語り合った。
坂田
代表作である『島耕作』シリーズは、非常にリアリティーがあり、私も深く共感しながら愛読しています。昨年は連載35周年を迎えられたそうで、おめでとうございます。
弘兼
ありがとうございます。35周年という節目で記念展も開催していただいたのですが、作者本人としてはまだまだ描き続けるつもりなので、「一つの通過点にすぎない」という感覚です。今年は年男で72歳になりますが、80代でも現役という大先輩もいらっしゃいますから、私はまだ若造だと思っていますよ(笑)。昨日も夜中まで仕事をしていましたし、明日は情報収集も兼ねてのゴルフ。そういえば一昨日もゴルフに行っていましたね。
坂田
毎日アクティブに動いていることが、エネルギッシュに仕事を続けられる理由でしょうか。
弘兼
そうかもしれません。やはり、好きな仕事をやり続けるのが一番の老化予防になるのでしょう。仕事にストレスは付きものですが、全くストレスがない生活も人を成長させません。生涯成長を続けるには、自分が打ち込める仕事をコツコツやっていくしかないですね。
1983年に『課長 島耕作』の連載が開始。どこにでもいる平凡なサラリーマンの島耕作が、仕事への情熱に目覚め、デキる男へと変貌していく姿を、現実の社会情勢を反映したリアルな展開で描き人気を博す。その後、島耕作の昇進とともに、『部長―』『取締役―』『常務―』『専務―』『社長―』と展開(途中、若手時代や学生時代にもさかのぼりながら)。2013年からは『会長 島耕作』が始まり、現在も継続中。今春からはシリーズ新機軸の『騎士団長 島耕作』もスタートを控える。
©弘兼憲史/講談社