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SDGsがビジネスを変える!

2015年の国連サミットで採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」。近年、この言葉が企業経営のキーワードとして急速に浸透している。今、日本企業がSDGsに取り組むメリットとは何なのか。また、SDGsを効果的に導入するポイントはどこにあるのか。いち早くSDGsに取り組んできたフロントランナーに、その核心を尋ねた。

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  • 2020.06.24

SDGsがビジネスを変える!

ケーススタディ2
次世代の"当事者"たちの考えを経営に反映させる
ユーグレナ

2019年、会社と社会の未来を変えることを業務とする「CFO(Chief Future Officer:最高未来責任者)」を18歳以下限定で一般募集し、話題を呼んだユーグレナ。創業時から社会課題の解決を目指す同社ならではの、SDGsの取り組みに迫る。

写真: 微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)

「人と地球を健康にする」を経営理念に掲げるユーグレナは、2005年に世界で初めて微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功したことで知られる企業だ。創業者の出雲 充さんは、学生時代に訪れたバングラデシュで目にした「栄養失調問題」を解決したいとの想いから、動物性と植物性の栄養を同時に取れる食品としてのユーグレナに着目。その後、ユーグレナを原料としたバイオ燃料による地球のクリーン化という目標も加わり、「ヘルスケア事業」と「エネルギー・環境事業」の2本を柱に事業を展開している。

こうした背景があるだけに、SDGsの目的の一つである「事業を通じて社会課題の解決に貢献する」という考え方は、創業当時からユーグレナの核にあった。ただ、一方では同社の事業に対して世間の賛同や支持を得にくいという苦しみもあったという。経営戦略部の木村 健さんはこう話す。

「当社のバイオ燃料は、太陽光エネルギーなどと違い、既存の自動車や航空機にそのまま積んで使える燃料です。そこに強みがあるのですが、逆に目に見えるインパクトに欠けるため、応援してくださる方がなかなか増えませんでした。今、SDGsという"共通言語"ができたことで、対外的なコミュニケーションが円滑に進むようになりました」

もう一つ、手応えを感じているのが、若い世代への影響力だ。昨年、同社が18歳以下の若者から「CFO(最高未来責任者)」を募集したことは記憶に新しい。

「未来の世代のために事業を行うのであれば、数十年先のことを自分事として考えられる人たちの意見を反映できる会社でなくてはならない。そんな想いでCFOを募集しました。『あなたが解決したいと思うSDGsは何ですか?』というテーマで論文を書いてもらうことが応募条件でしたが、予想を上回る500人超の応募があったのです。SDGsに対してやりたいことを明確に持っている若者が、これだけ大勢いることに衝撃を受けました」

裏を返せば「企業のSDGsに対する貢献度」を、若者たちがそれだけ厳しくチェックしているともいえる。

「その点を、経営者のメッセージやWebサイトできちんと伝えていれば、採用に予算をかけずとも、関心のある学生の目には留まると感じています」

ユーグレナでは現在、就任した高校生のCFOが、「30年先を見据えたときに変えていくべき経営基盤の問題点」を洗い出しているところだ。

「経営陣にとっては耳の痛い提案も多く、実現には相当なコストもかかります。しかし、会社と社会の未来を変えるには、"未来の当事者"が求める組織に変化する必要があると考え、彼らの意見を受け入れていくつもりです」

画像:代表取締役社長の出雲 充さん、初代CFOに就任した小澤杏子さん、取締役副社長の永田暁彦さん

右から、代表取締役社長の出雲 充さん、初代CFOに就任した小澤杏子さん、取締役副社長の永田暁彦さん。CFOの小澤さんは、ユーグレナのSDGsに関するアクションと達成目標の策定に携わる「ユーグレナFutureサミット」の運営や、各種会合・イベントでの登壇で活動している

画像:バングラデシュの子どもたち

ユーグレナでは、創業のきっかけとなったバングラデシュの子どもたちに、豊富な栄養素を持つユーグレナ入りクッキーを無償配布する「ユーグレナGENKIプログラム」を実施。今後は現地でのビジネスサイクルの構築も目指している

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    ケーススタディ1
    すべての人が「しあわせ」を感じられる、
    インクルーシブで豊かな社会を実現する
    「丸井グループ」
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    ケーススタディ3
    パートナーとの共創で
    SDGsを達成する
    「会宝産業」

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