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不確実な時代だからこそ、意思を持って勝ち抜く ニューノーマル時代のストラテジー

新型コロナウイルス感染症の影響により、今後は「ニューノーマル(新常態)」と呼ばれる時代の到来が叫ばれている。さまざまなことが"不確実"とされるこの時代において、どのような戦略を立て、ビジネスチャンスをつかんでいくべきなのか。企業やビジネスパーソンがコロナ禍をポジティブに考え、勝ち抜いていくためのヒントを探る。

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  • 2020.12.01

不確実な時代だからこそ、意思を持って勝ち抜く
ニューノーマル時代のストラテジー

コラム
リモートワークを成功させるポイントは「信頼のマネジメント」
ガイアックス

「人と人をつなげる」というミッションの下、SNSとシェアリングエコノミーに注力した事業を手掛けるガイアックス。1999年の創業以来、自由な働き方を実践してきたことでも知られる。リモートワークのパイオニアである同社に、その効果や成功のコツを聞いた。

写真: ガイアックス

「当社の働き方は"自由と責任"がスタンダード。可能な限り裁量労働制を採用し、働く場所に制限もありません。海外在住の事業本部長もいれば、今年の新卒社員には、東京から岐阜に引っ越してリモートで働いている者もいます。一方で、緊急事態宣言解除後は、あえて強制的な出社禁止の措置は取りませんでした。理由は、出社するのも社員の権利だからです。各人が最も働きやすいスタイルを実現し、成果を上げることが重要だと考えています」

こう話すのは、ガイアックスの広報マネージャーの高野比呂史さん。独自のカルチャーが有名になるにつれ、同社には自分の裁量で仕事がしたいという自主性や、ハングリー精神に富んだ人材が集まるようになった。採用の多くは、自社のWebサイトを経由した応募で、新卒採用ではその割合が8割に達するという。

こうしたメリットがある反面、職場のリモート化の推進により発生しがちなのが、コミュニケーション上の問題だ。

「当社でも、平日はオフィスでコミュニティーランチを開催するなどして親睦を図っていましたが、コロナ禍でそれも困難に。そこで導入した施策の一つが"オンライン社員総会"です。社員総会といっても、事業の数字を発表したりするのではなく、近況報告会のようなイメージです。総会はZoomで行いますが、その後はSpatialChat(スぺイシャルチャット)というグループミーティング向きのツールで交流会も開催。リモート中心だからこそ、コミュニケーションの場は積極的に設けています」

今回のコロナ禍で初めてリモートワークを導入したものの、社員の顔が直接見えず、どうマネジメントをすればいいのかと、悩みを抱える企業も少なくないだろう。これに対するガイアックスの解答は、いたってシンプルだ。

「相手を信頼すること。マネジメント役の社員に求められるのは、究極的にはこの一点です。自分の意思を持ち働く社員は、管理せずとも自主的に行動できます。新入社員研修でも、事業について学ぶより"自分は何のために生きるのか"という個人ミッションを重視したプログラムを実践しています。こうした取り組みで、社員のモチベーションが高まり能動的になるため、"信頼のマネジメント"が成立するのです」

もう一点、欠かせないのが「働き方と仕組みを連動させること」だという。

「当社のように、信頼を前提にしたマネジメントをベースに裁量労働制を取り入れる場合、必然的に評価もアウトプットベースで見ることになります。成果を見て年俸額を調整していくため、勤務態度を重視するような従来型の評価制度のまま、中途半端に仕組みだけをまねてもうまくはいかなくなる可能性が高く、注意が必要です」

画像:社員総会の様子

社員総会は、以前からオンラインとオフラインのハイブリッド型で実施しており、約1/3の社員がオンラインで参加していた。今回のコロナ禍では、完全オンライン化での開催となった

肘井絵里奈さん

顧客企業のPRやマーケティングを担当する肘井絵里奈さんは、世界一周をしながらのワーケーションに挑戦。残念ながら現在は、新型コロナウイルス感染症の影響で帰国したが、こうした働き方ができるのも、社員の"自由"を尊重するガイアックスならではだ

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    ケーススタディ3
    コロナ禍以前から貫き通す
    経営スタンスを継続する
    「西松屋チェーン」

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