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トップ > ITのチカラ [Vol.2] 医療業界向け3Dソリューション > P1
さまざまな業界で活用が進んでいる3Dデータや3Dプリンター。従来は製造業界からの注目が特に高かったが、近年は医療業界での導入も進んでいる。キヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)グループ各社の担当者が、医療分野における3Dソリューションについて解説する。
今回のポイント
――3Dソリューションに関して、近年の市場の変化をどう見ていますか。
キヤノンMJ 荒籾達彦
日本の3Dソリューション市場は右肩上がりに伸びています。3Dプリンターの出荷台数は2013年には3600台でしたが、18年には3万台ほどになると予測しています。
中でも活用が進んでいるのは製造・研究の分野です。製品の試作に3Dプリンターがよく使われており、従来は分割しなければ作れなかった難しい形状のものも一体成形できるようになっています。このほか、人工衛星の部品など大量量産の必要のない製品や、製品の加工などを行う際に作業位置のガイドとなる「治具」などが3Dプリンターで作られることもあります。
製造・研究以外の分野で今後3Dソリューションへの注目が高まりそうなのは、医療や教育、建築・建設関係で、すでに導入は進みつつあります。
――キヤノンMJグループの3Dソリューションへの取り組みについて、全体像を教えてください。
荒籾
3Dプリンターだけでなく、3D CADソフト、3Dスキャナー、3Dデータ修正ソフトなど、データのインプットからアウトプットまでカバーする幅広い製品をご用意しています。そうした製品を組み合わせ、さまざまな業界のお客さまのニーズに最適な3Dソリューションをご提供できることが、キヤノンMJグループの特徴だといえます。
近年、医療の分野でも3Dプリンターは大きな注目を浴びており、診断や治療での活用、普及が進んできています。例えば、3D プリンターで造形した臓器モデルは視覚・触覚による確認が可能であり、モニター上に表示した3D 画像に比較して立体的な位置関係を把握することができます。術前計画や手術シミュレーションの検討、若手医師の教育、患者への説明などで広く利用されはじめています。