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ITのチカラ Vol.01 医療業界向け3Dソリューション

さまざまな業界で活用が進んでいる3Dデータや3Dプリンター。従来は製造業界からの注目が特に高かったが、近年は医療業界での導入も進んでいる。キヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)グループ各社の担当者が、医療分野における3Dソリューションについて解説する。

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  • 2016.06.01

[Vol.2] 医療業界向け3Dソリューション

患者と医師の両方にメリットをもたらす3Dソリューション

――医療業界における3Dソリューション活用のメリットについて、ポイントを教えてください。

キヤノンLCS 岡本菜奈

患者さまごとにオーダーメードの医療を行えるのが一番のメリットでしょう。医師が治療方針などを患者さまに説明する際、3Dプリンターで出力された自身の骨や内臓のモデルがあれば、患者さまの納得性が高まり、インフォームドコンセント(十分な説明に基づく同意)に寄与すると考えられます。

もちろん、先にご説明したように、手術に伴う傷の範囲を小さくしたり、手術時間を短くしたりすることで患者さまの身体的な負担が抑えられ、術後経過の改善も期待できます。入院期間が短縮できれば、患者さまにとっても病院にとってもメリットは大きいといえます。

また、3Dソリューションが活用されることが多いのは、顔の治療です。例えば交通事故などで顔の骨が損傷してしまった場合などに3Dソリューションを活用すれば、修復手術の精度を高めることが可能です。顔のような普段から見られる部分の手術の精度は、患者さまの術後の人生にまで大きく影響することもあります。

このように、患者さまにとって3Dソリューションの活用がメリットになるとなれば、今後は導入している病院への期待や評価が高まることが考えられます。

――医療における3Dデータ活用について、今後解決すべき課題は何でしょうか。

後藤

3D画像データの編集や3Dプリンターへの出力には、まだ現場の知識や技術の習熟が必要です。例えば、CTで撮影された画像はグレースケールで映し出されるために領域があいまいなことも多く、切り分けには高い技術が必要です。ただ、こうした課題は3Dワークステーションの画像解析機能の進化で解決できる部分もあります。

荒籾

3Dプリンターについてよく指摘されるのはコストの高さと出力のスピードです。しかし、さまざまなメーカーの技術革新や3Dプリンターの市場拡大に伴い、このような問題も解消されてきています。材料によってもコスト感は異なり、特に石膏を使うタイプは、光造形やインクジェットの樹脂タイプよりも比較的低コストで出力スピードも速いのが特徴です。

キヤノンMJグループの医療業界向け3Dソリューション

画像:キヤノンMJグループの医療業界向け3Dソリューション

キヤノンMJグループでは、CTやMRIで撮影された3D画像から診察や造形の対象となる部位の抽出や出力可能なSTLファイルへの変換を行う3Dワークステーション、編集用ソフトウエア、樹脂や石膏などで造形物を出力する3Dプリンターまで取り扱っている。全国に展開している保守サービス網と組み合わせ、医療機関ごとのニーズに合わせた医療業界向け3Dソリューションをトータルで提供している

「キヤノンMJ 3Dプリンター スペシャルサイト」(医療業界の活用事例)

キヤノンMJ 3Dプリンター スペシャルサイト

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