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トップ > ITのチカラ [Vol.7] 定型・非定型帳票OCRエントリーシステム > P1
企業の帳票処理の効率化には、OCR(光学式文字認識)による情報のデータ化が重要な役割を果たす。キヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)が提供する「定型・非定型帳票OCRエントリーシステム」について、ビジネスソリューションカンパニーの木下史章、冨田和利、大野浩輝、西尾光一、下牧 崇が解説する。
今回のポイント
ケーススタディー
―― 一般的に、金融業界では帳票処理業務が多いと聞きますが、具体的にはどのような課題があるのでしょうか。
大野
金融機関は書類の取り扱いが多く、以前から帳票処理業務の効率化に取り組んでいます。例えば生命保険会社では、定型的な書類はOCRにより情報をデータ化するシステムが活用されています。
木下
一方で契約時や支払い、保全業務に付帯する多くの非定型の書類については自動でデータ化するのは難しいとされ、人手をかけて目視してパンチ入力していました。生命保険会社での非定型書類の代表例として挙げられるのは、お客さまからお預かりする健康診断書や病院で発行される診断書、診療明細書、そして公的機関からの契約照会書類などです。
大野
これらの書類は、記載内容はほぼ同じですがフォーマットはさまざまなため、定型的な書類と比べてシステムの導入による自動化が難しかったのです。
木下
これまでの文字認識は、「書類のこの位置にこの情報がある」と座標で指定して読み取る必要がありました。例えば免許証のようにフォーマットが決まっている本人確認書類や、自社で書式を統一した書類、つまり定型書類なら事前に帳票登録できるのでOCRをかけやすいわけです。
冨田
非定型の書類はそうした事前帳票登録ができないため、「人が一件ずつ手でデータを入力して確認するしかない」と、半ば諦めている状況でした。しかし昨今はより効率的な業務を目指し、電子化や自動化されていない業務の改善に取り組む企業も増え、非定型書類のデータ化へのニーズも高まっています。
木下
処理すべきデータが増えていることも背景にあります。例えば生命保険会社の場合、健康状態によって保険料が割安になる商品が登場しています。こうした商品では、従来は契約加入の査定時にのみ健康診断書を確認していましたが、定期的に契約者の健康診断結果などのデータを取得する必要が生じます。それによってデータ量が増えるわけです。
ビジネスシーンで取り扱う書類のうち、フォーマットが決まっているものはOCRによるデータ化がしやすい。一方、フォーマットが決まっておらずレイアウトが多様な書類は、従来自動的にデータ化することが難しく、手作業に頼らざるを得なかった。
「Rosetta-Stone-Components」を利用したアプリケーションの導入により、定型・非定型を問わず、複数の書類のスキャン、読み取り結果の確認作業を効率化することで、業務時間の削減が可能となります。