カテゴリーを選択
トップ > Cのキセキ Episode.34 「EOS R3」 > P2
カメラファンの間で大きな反響を呼んでいるのが、新たなミラーレスカメラ「EOS R3」だ。開発発表されてからおよそ7カ月、2021年11月に発売されたR3は、プロフォトグラファーやハイアマチュアに向けたカメラであるにも関わらず、広くカメラファンの注目を集めている。なぜこのカメラはそんなにも人を惹きつけるのだろうか。その理由に迫る。
「誰が見ても"なんだこれは"と驚くような、新しいカメラを作ろう。これが開発チームの合い言葉でした」
そう話すのは、キヤノンで「EOS R3」の開発チーフを務めた清田真人だ。
「フラッグシップの『1』でもなければ、長くユーザーの信頼を勝ち取ってきた『5』『6』でもない。作るのは、"『1』を使っていたユーザーも『5』を使っていたユーザーも、使ってみたくなる最高の撮影体験ができるカメラを"という思いを込めた『3』を冠したカメラです。ならば、現時点で実現できる技術を全て載せた唯一無二の新しいカメラを作ろうと考えたのです」
清田が話す「1」とは「EOS-1D X Mark Ⅲ」、「5」と「6」はそれぞれ「EOS R5」「EOS R6」のことを指す。いずれも、キヤノンを代表するカメラであり、特に「EOS-1D X Mark Ⅲ」は、「EOS R3」と同様にプロフォトグラファーのための究極のカメラだが、この「EOS-1D X Mark Ⅲ」と「EOS R3」はどういう関係に位置付けられているのだろうか。
「『EOS R3』が登場しても、現時点でのフラッグシップが『EOS-1D X Mark Ⅲ』であることは変わりません。ですが、『EOS』の基本コンセプトでもある『快速・快適・高画質』を突き詰めたとき、『EOS-1D X Mark Ⅲ』ではまだ足りないと考える方もいるのではないかと考えました。ミラーレスを採用した最新の『Rシステム』の特長を生かせば、そうした希望に応えることができる。そういうカメラ作りにチャレンジしました」
「EOS」が常に大事にしてきた「快速・快適・高画質」の視点から「EOS-1D X Mark Ⅲ」を凌駕するカメラを作る。技術者がそんなことをいわれて、ワクワクしないわけがない。
「EOS-1D X」シリーズと共通性を持ったボタンやダイヤルの配置で快適な操作性を実現ボタンやダイヤルなどのレイアウトは「EOS-1D X」シリーズと共通性があり、これまでキヤノンのレンズ交換式カメラを利用してきた人であれば、併用も容易になっている。また、バリアングル液晶モニターを採用したことで、より自由な構図での撮影が可能になっている。