カテゴリーを選択
トップ > Cのキセキ Episode.21 「EOS Kiss M」 > P1
家族と共にあるカメラとして多くのユーザーに愛されてきた「EOS Kiss」が登場して今年で25年。この記念すべき年に、「EOS Kiss」としては初のミラーレスカメラ「EOS Kiss M」が誕生した。「家族と共に」という不変の目的を果たしながらも、時代とともに変わりゆくユーザーニーズに合わせ、常に柔軟にその姿を変化させてきている。新たな挑戦が生み出した「EOS Kiss M」の魅力に迫る。
この数年、エントリー層向けのカメラ市場は縮小傾向にあるといわれてきた。その背景にあるのはスマートフォン(以下、スマホ)のカメラ機能の高機能化で、「SNSに投稿するような日々のスナップ写真ならスマホで十分」と感じるユーザーが増えたことだ。そのため、カメラメーカーはスマホユーザーに対してカメラで撮影することの楽しさ、カメラで撮影した写真の良さをどうアピールするかという難題と向き合ってきた。
こうした状況に、昨年から今年にかけて変化の兆しが見えてきた。エントリー層向けの一眼レフカメラやミラーレスカメラを購入するユーザー、特に2017年に発売したミラーレスカメラ「EOS M100」の購入ユーザーにこれまでにない動きが見られ始めたというのだ。
キヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)で、カメラの販売企画を担当する吉澤直久は、その動きに「手応えを感じている」と話す。
「ユーザー層が変化した理由の一つは、意外かもしれませんが、スマホとSNSの普及だと考えています。スマホで気軽にたくさんの写真を撮り、それをSNSにアップするようになると、『もっとキレイな写真』『もっと自分らしい個性的な写真』が撮りたくなる。そうしたスマホユーザーのニーズに、エントリー層向けの一眼レフカメラやミラーレスカメラが応えているのです」
「EOS M100」のような若い女性をターゲットとしたカメラは、実際にスマホやSNSを使いこなす20代を中心とした女性が多く購入しており、レンズ交換式カメラの新しい購入層になっている。
「EOS M100」は、2017年のカメラ市場全体で見てもヒット商品だといえるが、この3月に発売された「EOS Kiss M」は、その「EOS M100」すら上回る好スタートを切ることができたという。
「スマホでたくさんの写真を撮り、SNSに投稿して多くの人にその写真を見てもらう。そうしたことが日常になったからこそ、スマホでは撮れない写真が撮れる一眼レフカメラの魅力や、写真撮影そのものの楽しさや奥深さが伝わる状況になりつつあると感じています」
2018年3月発売の約2410万画素CMOSセンサーと新映像エンジン「DIGIC 8」を搭載したレンズ交換式のミラーレスカメラ。手ブレを強力に抑える「デュアルセンシングIS」や、先進的なAF技術である「デュアルピクセルCMOS AF」を搭載。簡単にきれいな写真が撮れるだけでなく4K動画の撮影にも対応している。初めて「EOS Kiss」の名前を冠したミラーレスカメラでもある。1993年の初代「EOS Kiss」の発売から、キヤノンのエントリー層に向けた一眼レフカメラのブランドとして、数多くのモデルがラインアップされている。