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家族と共にあるカメラとして多くのユーザーに愛されてきた「EOS Kiss」が登場して今年で25年。この記念すべき年に、「EOS Kiss」としては初のミラーレスカメラ「EOS Kiss M」が誕生した。「家族と共に」という不変の目的を果たしながらも、時代とともに変わりゆくユーザーニーズに合わせ、常に柔軟にその姿を変化させてきている。新たな挑戦が生み出した「EOS Kiss M」の魅力に迫る。

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  • 2018.06.01

Episode.21 「EOS Kiss M」

「小型・軽量、簡単、きれい」それらを実現するために

写真:加藤雅之 キヤノン(株)イメージコミュニケーション事業本部で「EOS Kiss M」の商品企画を担当した加藤雅之 写真:小林 太 「EOS Kiss M」の開発チーフを務めたキヤノン(株)イメージコミュニケーション事業本部の小林 太

誕生から25年もの間、「EOS Kiss」というブランドは続いてきた。その「EOS Kiss」の名が新たに付けられるミラーレスカメラの開発に携わるチームがまず行ったことは、先達が紡いできたこの伝統と向き合うことだった。

商品企画を担当した加藤雅之は、開発に携わるに当たって歴代の「EOS Kiss」を並べ、一つひとつ手に取ってみたという。

「『小型・軽量』『簡単』『きれい』。この三つが『EOS Kiss』に求められる変わらないテーマだということは頭では理解していましたが、実際に手にしてみると、どれもその時代の機種としては小さく、軽く、簡単に操作ができるさまざまな工夫がなされていることに気付きました。そして、何より感じたのは手によくなじむということです。サイズやグリップの形状、ボタンやダイヤルの位置を繰り返し試した結果だということが伝わってきました」

開発チームの取りまとめを担当した小林 太(ふとし)は、開発するカメラの「イメージ」を描くことに力を注いだと話す。

「カメラの開発に携わる者としては、どうしても『どのような機能をどのように実現するか』に目が向いてしまいがちですが、今回は『どんなカメラにすべきか』という『イメージ』を描くところに時間をかけました」

そして、小林がヒントにしたのは過去の自分の経験だったという。

「実はこれまでプライベートで『EOS Kiss』を2台購入して使ってきました。あの時の自分は何を考えて『EOS Kiss』を選んだのだろう、何を感じたり思ったりしながら写真を撮っていたのだろうと記憶をたどりました。そして思い出したのは、まずカメラの操作に慣れていなくても簡単にキレイに撮れるということ。それでいて、設定やレンズ交換などで写真表現を広げていく楽しさにも応えられる"奥行き"を持ったカメラだったということでした。『EOS Kiss M』もそんなカメラにしなければと感じました」

画像:EOS Kiss 25th

進化を続ける「EOS Kiss」25年の歴史
1993年にフィルムカメラとして登場した「EOS Kiss」シリーズ。25年の間、変わらずに「小型・軽量」「簡単」「きれい」というテーマを追求しながらも、2003年にデジタル化した「EOS Kiss Digital」を発表するなど、その時代の先端技術を取り入れつつ進化を続けてきたカメラでもある。その「EOS Kiss」が、今年いよいよミラーレスカメラとして新たに登場した。

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