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キヤノンから新たなイメージングシステムが登場した。それが「EOS Rシステム」だ。開発コンセプトである「Reimagine optical excellence」から取られた「R」の文字には、イメージングの世界を再構築するという、キヤノンの強い決意が込められている。その核心はどこにあるのか。「EOS Rシステム」の開発者たちに話を聞いた。

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  • 2018.12.01

Episode.23 「EOS R SYSTEM」

あくまでミラーレス化は目的ではなく「結果」

「EOS Rシステム」は、どのような点が優れているのだろうか。まず挙げられるのがレンズ、つまり光学部分の進化だ。日比は、その実現には、大口径マウントと、レンズとCMOSセンサーの距離を短くした、ショートバックフォーカスが不可欠だったと話す。

「口径が大きくバックフォーカスが短いと、周辺部の収差補正が楽になり、レンズ設計をしやすくなります。そのメリットとして、高画質化、高スペック化、小型軽量化の三つがあります。その三つのバランスを取ることで、『EFシステム』では実現が難しかった、これまでにない個性的なレンズが企画できるようになりました」

実際に、これまでは実現が難しかった4本の「RFレンズ」が「EOS R」とともに誕生した。

異次元の優れた解像力を発揮する「RF50mm F1.2 L USM」、高画質と小型化を両立させた「RF24-105mm F4 L IS USM」、技術的には可能でも大きくなり過ぎて製品化できなかった「RF28-70mm F2 L USM」、従来なかった小型・軽量の広角マクロ「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」。どれも「ショートバックフォーカスだからこそ実現できた」レンズだという。

ここでポイントになるのが、どのようにレンズとセンサーを近づけるかだ。

「だからミラーレスなのです。『EOS Rシステム』では、『EFシステム』を超えるレンズ設計の自由度を追求しました。しかし、それを実現するにはミラー機構をなくすしかなかった。ミラーレスは、あくまで結果でしかないのです」

光学部分の進化を、日比は「将来の進化に向けたトリガーになる」と話す。これから「EOS Rシステム」では、想像もしなかったような驚くべき新たな「RFレンズ」たちが登場するに違いない。

※ 収差:レンズなどの光学機器において発生することがある色付きやボケ、ゆがみ

画像:大口径マウントとショートバックフォーカス

レンズ設計の自由度を高める
大口径マウントとショートバックフォーカスを採用

「EOS Rシステム」では、「大口径マウント」と、CMOSセンサーとレンズ最後部までの距離を可能な限り近づける「ショートバックフォーカス」を採用。これによりレンズ設計の自由度が飛躍的に高まり、これまで実現が難しかったレンズの開発も可能になった。

画像:RFレンズ

これまでにない高画質やハイスペック、
小型化を実現した「RFレンズ」

「EOS R」と同時に「ショートバックフォーカス」だからこそ実現した4本の「RFレンズ」を発表した。左から、高画質と小型・軽量を両立した「RF24-105mm F4 L IS USM」、ズーム全域で開放F値2の大口径ズームレンズ「RF28-70mm F2 L USM」、開放F1.2からシャープな描写と美しいボケ味を実現する大口径の単焦点レンズ「RF50mm F1.2 L USM」、小型・軽量と高機能を両立した広角マクロレンズ「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」。

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