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その道は、「デジタルトランスフォーメーション」へと続く! データドリブン社会の進み方

ビッグデータの発展に伴い、ビジネスのあらゆる局面で、データに基づく判断やアクション(データドリブン)が求められるようになった。こうしたデータ活用は、次代の合言葉である「デジタルトランスフォーメーション(DX)」、すなわち「デジタル時代に対応した企業変革」に欠かせないアプローチである。しかし、実際どのようにデータを生かせばいいのか、途方に暮れている企業も少なくない。本特集では、ビジネスと学問、それぞれの現場におけるデータ活用の最前線に迫る。

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  • 2019.12.01

その道は、「デジタルトランスフォーメーション」へと続く!
データドリブン社会の進み方

コラム
Eコマース時代の販売戦略には「デジタルシェルフの制覇」が必須になる

アマゾンや楽天などのメガECサイトでは、商品の並びは、顧客の検索傾向や商品レビュー、購入傾向など、数多くのデータを反映して決定されている。その仕組みを利用して「目立つ売り場」を確保し、売り上げアップにつなげる、 いつも. の「デジタルシェルフ戦略」を紹介する。

写真: 立川哲夫さん 立川 哲夫(たつかわ てつお)
株式会社いつも.
執行役員 マーケティング事業部

Eコマース市場の成長に伴い、メーカーや小売企業の販売戦略は大きな変革を迫られている。

「現状、日本の小売り全体に占めるEコマースのシェアは1割程度です。その一方で、多くの消費者はインターネットの情報を参考に商品を購入しているという実態があります。アメリカではその比率が5割に達し、日本でも同様の動きが今後さらに進むと予測される。つまり、実店舗でもインターネットでの露出が大きく売り上げを左右する時代になったのです」。こう話すのは、Eコマースの支援事業を行う いつも.の立川哲夫さんだ。

中でも大きなプレゼンスを持つのが、日本のEC御三家であるアマゾン、楽天市場、ヤフー。これらのサイトで、いかに目立つ場所に自社の商品を表示させるかが勝負のカギになる。

「従来は、実店舗の『棚取り』が重要視されてきました。消費者の目に付きやすい場所に商品を並べてもらうことが、売り上げを左右したのです。これと同じことがネット店舗でも起きています。われわれは、そのスペースを『デジタルシェルフ』と呼んでいます」

例えば、「シャンプー」と聞いて多くの消費者が想像するのは、大手メーカーの商品だろう。ところが、アマゾンで「シャンプー」を検索すると、上位の目立つ場所に並ぶのは、「ALLNA ORGANIC(オルナオーガニック)」という新鋭ブランドの商品。いまやアマゾンではシャンプーの売り上げ断トツ1位を誇り、実店舗でも大手メーカー品の知名度を上回る勢いだという。

「それだけに、デジタルシェルフで良いポジションを取ることは死活問題です。アマゾンや楽天での商品表示順は、必ずしも売上順ではありません。サイトごとにアルゴリズムは異なりますが、商品の説明や写真、検索キーワードの最適性、一定期間内の売上数、レビューの数とスコアなどが加味されます。これらの要素を分析して、サイトに応じた手を打つ必要があります」

3大サイトで好ポジションを取る競争は、早晩、熾烈(しれつ)なものになるだろう。そこで重要になるのが「サブカテゴリーの棚も制覇する」という発想だ。

「例えば、『化粧水』というキーワードで検索すると、『化粧水 美白』『化粧水 透明感』などの予測変換が出てきます。これらをサブカテゴリーと考え、それぞれに対する施策を打つことでシェアを狙えば、より広範な棚を網羅することができます」

ECサイトもまた、多様なデータを取得・分析して業績向上につなげるデータドリブン社会の縮図といえる。デジタルシェルフという概念が浸透しきっていない今から対策に取り組み、有意性を確保しておくのが得策だ。

シャンプーを例にした実店舗とECサイトの棚の比較

  • 画像: 実店舗の商品陳列棚 これまでの販売戦略で重要視されてきたのは、実店舗での「棚取り」だった。文中で述べているシャンプーを例にとっても、大手メーカーの多くは現在もこの傾向にあり、実店舗には多数の大手メーカー商品が並ぶ
  • 画像: ECサイトの上位表示商品メガECサイトにおけるシャンプーの「デジタルシェルフ」の表示順上位には、実店舗ではあまり見かけない新鋭ブランドや業務用ブランドの商品が並ぶ傾向にある。今後は、実店舗でも同様の流れが加速する模様だ
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    顧客の行動履歴を分析し、購買につながる情報を届ける
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