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オフィスで何気なく利用している「複合機」。だが、市場では複数のメーカーが激しくシェアを争っている製品でもある。そんな市場にキヤノンはA3カラー複合機の新モデル「imageRUNNER ADVANCE C5500」シリーズを投入。「User-Centric」をコンセプトに、ユーザーの利便性を徹底的に追求したという開発チームのメンバーに話を聞いた。

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  • 2016.09.01

Episode.14 「imageRUNNER ADVANCE C5500」シリーズ

全てを見直した第三世代の開発

「imageRUNNER ADVANCE」シリーズが最初に登場したのは09年の「C5000」シリーズだ。このモデルを第一世代とすると、今回の「C5500」シリーズは、第二世代である12年発売「C5200」シリーズに続き、第三世代に位置付けられる。これまで販売の主力であった第二世代の機種から、何が変わったのだろうか。商品企画を担当したキヤノンの佐藤明彦は、「全てを見直したモデル」だと話す。

「もちろん新たに多くの機能が追加されていますが、今回の『imageRUNNER ADVANCE C5500』シリーズは“全てを一から見直した”モデルでもあります。筐体のデザインや色のような目に見える部分から、操作部分、内部の機構部分、さらに出力に関わるトナーに至るまで、徹底的に見直しています」

全てを徹底的に見直すにあたって重要だったのは、開発に携わる“姿勢”だったと、開発チーム全体を統括した城戸崎(きとざき)幸博は話す。

「開発メンバーにとって、技術を飛躍させ、一つひとつの機能を強化していくことは使命です。ただし、今回は技術や機能を“誰のために進化させていくのか”という点も大切にしました。“誰のため”か。それはもちろん製品を使っていただくお客さまのためです。その視点で製品を見つめ直す。それが開発のポイントでした」

出力部分の開発を担当した望月 淳は、城戸崎が語る方針は開発プロセスの全てに浸透していたと話す。

「新製品の開発を成功させるために新しい技術は不可欠です。ですが今回のシリーズでは“技術ありき”ではなく、まず“お客さまはこういう機能を望んでいる”という目標を設定し、そのためにどんな技術が必要になるかを考えるという方針で開発を進めました。“技術はあくまでお客さまの使い勝手、利便性を実現するため”という考え方を徹底したのです」

城戸崎は、その開発プロセスにあたって、ある言葉を繰り返し使ったという。

「単に性能を上げ、機能を増やせばいいわけではない。その性能や機能をお客さまに肌で感じてもらえるまで磨き上げなければ意味がない。開発メンバーには、繰り返し『その性能をお客さまに“実感”してもらえるか』『その機能の便利さを“実感”してもらえるか』と問いかけました」

写真:佐藤明彦 城戸崎幸博 望月淳 平井達彦 「imageRUNNER ADVANCE C5500」シリーズの開発に携わったキヤノン(株)映像事務機事業本部のメンバー。右から商品企画を担当した佐藤明彦、開発チームのチーフを務めた城戸崎幸博、トナー開発や画像処理など画質向上に尽力した望月 淳、システム開発を担当した平井達彦
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