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トップ > Cのキセキ Episode.19 「PIXUS XKシリーズ」 > P1
毎年、各社から家庭用インクジェットプリンターの新製品が発表されるのは、年賀状印刷のニーズが高まる秋のことだ。家電店の店頭に各社の新製品が並ぶおなじみの風景。しかしその背後からは業界の未来を左右しかねない、変革の足音が聞こえてくる。キヤノンが「プレミアムシリーズ」として新たに発売した「PIXUS XK70」を通してその今を見ていく。
家庭用インクジェットプリンター市場をリードするキヤノンの「PIXUS」シリーズだが、実は今、大きな変化の波にさらされているという。
「プリンターを取り巻く環境は大きく変化し、従来同様のマーケティング活動は通用しなくなってきています」
PIXUSシリーズのマーケティングを担当するキヤノンマーケティングジャパンの中村恭一郎は、市場環境の変化についてこう話す。
「国内のインクジェットプリンターの年間販売台数はおよそ400万台。この数年は前年比微減という状態が続いています。そんな中でもPIXUSシリーズは3年連続でシェアNo.1を誇るなど、キヤノンはトップシェア(※)を守り続けていますが、"何とかしなければ"という危機感は常に持っています」
何が大きく変わったのだろうか。
「昨今のスマートフォンやSNSの台頭により、残念ながら全体的にはユーザーのプリントする行為自体が減ってきているのが現状です。写真やドキュメントの共有を紙媒体ではなく、電子媒体を使用して行うのが日常化してきているからです。ですからわれわれも単純にプリンターの機能的な進化を追い求め、それを訴求するだけでは、時代背景に即したマーケティング活動を行っているとはいえないと考えています」
もちろん機能や性能の向上が重要でないというわけではない。ハードウエアの進化という視点だけでは、ユーザーとプリンターとの距離はなかなか縮まらないというのだ。
PIXUSシリーズの商品化推進に携わるキヤノンの関上祐一も、その難しさを感じている一人だ。
「プリントする機会が減っている一方で、ユーザーのプリンターに対するニーズは多様化してきています。そんなユーザーの声に耳を傾けるため、さまざまなアンケートや聞き取り調査を行い、その結果を商品やサービスに反映させています。これまで以上にユーザーのニーズを見極めることが重要になっているのです」
※GfK Japan「2016〜14年『プリンタ』メーカー別販売数量シェア 全国有力家電量販店の販売実績集計」、「BCN AWARD 2017」(2016年1月1日~12月31日)、「BCN AWARD 2016」(2015年1月1日~12月31日)、「BCN AWARD 2015」(2014年1月1日~12月31日)各種調査より
キヤノンのインクジェットプリンター「PIXUS」にプレミアムシリーズとして加わったのが「PIXUS XKシリーズ」だ。新色「フォトブルーインク」を加えた新開発「プレミアム6色ハイブリッドインク」を採用。さらに低ランニングコストで高画質プリントが楽しめる、新しいコンセプトの家庭用インクジェットプリンターになっている。スマートフォンと簡単に接続することができ、前面と背面の両方向から用紙を給紙できる「2WAY給紙」、SNSとの親和性が高い「スクエアサイズ(127×127mm)」への対応など、多彩な機能を搭載しながらコンパクトで美しいデザインを実現している。