カテゴリーを選択

トップ > Cのキセキ Episode.19 「PIXUS XKシリーズ」 > P7

Cのキセキ

毎年、各社から家庭用インクジェットプリンターの新製品が発表されるのは、年賀状印刷のニーズが高まる秋のことだ。家電店の店頭に各社の新製品が並ぶおなじみの風景。しかしその背後からは業界の未来を左右しかねない、変革の足音が聞こえてくる。キヤノンが「プレミアムシリーズ」として新たに発売した「PIXUS XK70」を通してその今を見ていく。

  • Twitter
  • Facebook
  • Cのキセキ
  • 2017.12.01

Episode.19 「PIXUS XKシリーズ」

見た目だけでなく風合いも表現する色を選ぶ

もう一つ「PIXUS XK70」で注目すべきポイントは、新たに採用された外装のカラーリングだ。上品で特別感のあるグレーメタリックは、塗装を施すことで実現している。

「インクジェットプリンターの外装色は樹脂の色をそのまま使うことが多いのですが、『PIXUS XK70』では多くの部分に塗装を施しています。特に天板部分の塗料にはガラスのフレークを混ぜ、しっとりとしつつも、光が当たると輝くように工夫をしています。また、天板の縁にはシボ塗装を施して、シックで落ち着いたイメージを与えています」

外装色と同様に注目すべきが、キヤノンが有する高度な生産技術によって実現する、繊細なパーツが各所に採用されている点だ。最も分かりやすいのが、スキャナーのふたとして使われている天板。ここまで大きく、薄く、平らな板を成型するのは極めて難しい。「PIXUS」のロゴも成型されているが、通常であればゆがみやすいとの理由から避けるのが一般的だという。

「キヤノンには複雑な金型を作る技術者や、それを大量生産できる知見やノウハウを持った社員がいます。彼らがいたからこそ、『PIXUS XK70』が成立し、市場に投入することができたのです」

なぜ大石はそこまで高い要求をしたのだろう。形や操作性だけでなく、風合いにまで気を配ったのはなぜか。

「やはり、このプリンターが日常の中で使われることを目指したからです。ふと目に留まったとき、ちょっと触れたとき、プリントを取り出すとき、あらゆる場面で品位が感じられる。それが"リビングになじむ"ということなのではないでしょうか」

プリンターを日常の景色に溶け込ませ、これまで以上に使ってもらうには、こうした妥協なき取り組みが必要なのだ。

画像:触覚にまでこだわった「プレミアムデザイン」

触覚にまでこだわった「プレミアムデザイン」
リビングになじむデザインを目指した「PIXUS XK70」。そのためにこだわったのは細部の仕上がりだ。例えば本体は樹脂の成型色ではなく、グレー系の手の込んだ塗装を施してシックな見た目に。パーツの縁部分などには手触りの異なるシボ塗装をして、触れたときに落ち着いた印象を与える演出がされている。塗装色についてもさまざまな色で何度も検討が重ねられ、現在のものに至っている。電源ケーブルの出口は本体を壁にピタリと付けられるように斜めになっている。さらに、ケーブルが目立たないようにふたも付けられている。

C-magazine サイト トップページに戻る

PDFで閲覧する場合は、デジタルアーカイブスへ

このページのトップへ