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手のひらに収まる小さなカメラから複合機や医療機器、さらには大型の産業機器に至るまで、多様な製品を世に送り出すキヤノン。ユーザーも用途も異なるそれら製品だが、そこには「キヤノンらしさ」とも呼ぶべき何かが込められている。その「キヤノンらしさ」とはどこから生まれ、そしてどのように引き継がれているのか。「デザイン」の観点から紐解いてみたい。

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  • 2018.09.01

Episode.22 「キヤノンのデザイン」

キヤノンのデザインの可能性と未来は広がる

写真:山下雅丈 キヤノン(株)総合デザインセンターでビジュアルデザイン部を統括する山下雅丈

現在、キヤノンの事業領域の広がりとともに、総合デザインセンターが手掛けるデザインの領域も広がっている。その一つの方向性が、山下雅丈が属するビジュアルデザイン部の活動だ。

「ビジュアルデザイン部が取り組む仕事の一つに、キヤノンが持つ膨大なデザインデータの活用があります。例えば、設計用のCADデータを基にパッケージを作成したりプロモーションムービーを制作したりといった活動です。SNSなどお客さまとのタッチポイントが多様になる中で、CADデータを基にすることでキヤノン製品やキヤノンブランドのイメージを統一できると考えています」

もう一つは、キヤノンの事業領域の広がりに対応した分野だと石川は話す。

「私たちの製品と関係するあらゆるデザインに挑戦していきたい。その一つが、空間デザインです。キヤノンは商業印刷や産業機器にも事業領域を広げています。そうした領域の大型の機器を販売するには、設置や搬入、運用、メンテナンスの動線まで、お客さまへ提案することが求められます。そのためには、キヤノンに所属するデザイナーとして、空間デザインの知識、経験も蓄えていく必要がある。キヤノンがこれからもお客さまが望むものを提供していくには、デザインの力をもっと深く広く生かしていかなければならない。そう考えています」

キヤノン製品に「キヤノンらしさ」を感じても、「どこが」「何が」を具体的に答えるのは難しい。だが、カメラから始まったキヤノンの事業領域は、複合機や商業印刷機器、医療機器、産業機器へと広がっている。数値化できない「キヤノンらしさ」を日々考え、突き詰めていかなければ、いつかそれは消えてしまうかもしれない。総合デザインセンターでの取り組みは、製品を生み出すだけでなく、「キヤノンらしさ」を守り、受け継いでいくことにもつながっているのだ。

  • 画像:デジタルアセット 「デジタルアセット」の活用
    設計用CADデータなどの「デジタルアセット」の活用も進められている。パッケージへの利用やプロモーションムービーの制作など、多様なプロモーションを通じてキヤノン製品の統一したイメージの訴求が可能になる。
  • 画像:空間デザイン デザインの領域は「空間デザイン」にまで広がる
    キヤノンの事業領域が、カメラや複合機から医療や商業印刷機器へと広がっていく中で、キヤノンの総合デザインセンターが手掛けるデザインの領域も、空間デザインにまで広がっていく。
画像:デザインの領域 ※2 VPS:Virtual Product Simulator。3D人体モデルによる仮想検証

広がるキヤノンのデザインの領域
キヤノンの総合デザインセンターが担うデザインの領域は、従来の製品開発だけでなく、ユーザーをより深く理解するための活動や、パッケージのデザイン、空間デザイン、製品発売後のプロモーション支援にまで広がっている。

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    継承され続ける「キヤノンらしさ」とは何か

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